「京都の秋を描く」 (2012.5.15 掲載)

2009年(平成21年)に高校の同窓生(女性6名)を、レンタカーを借りて京都に案内しました。最初の日は嵯峨野方面、翌日は洛南ですが11月下旬の2日間は天候に恵まれ、いずれの場所も焼けるような紅葉に囲まれて、本当に楽しい「紅葉狩り」になりました。このページではその時撮った写真をもとに描いた絵を紹介します。殆どの絵が寺院ではなく紅葉の林ばかりで単調になりました。

「化野念仏寺にて(2009.11.24)

化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)は、京都の嵯峨野にある浄土宗の寺院です。ここは平安時代以来の墓地であるそうで、たくさんの墓石が紅葉をバックに並んでいる「賽の河原」は壮観といえます。この絵でも手前に墓石を描きました。

「紅葉の中の化野念仏寺」:(2009.11.24)

念仏寺の境内を巡ると紅葉の間にお寺の屋根がみられます。本当なら寺院本殿を描きたかったですが、どうやら写真の中に本殿が入っていなかったようで、この絵になりました。

「常寂光寺にて」:(2009.11.24)

昔から紅葉の名所として知られる小倉山の中腹に寺域を占める日蓮宗の寺院とのこと。この絵は寺院に至る石段から見た紅葉の林です。モミジは樹木の枝が重なっているところが多く、それでは絵にし難いので少しまばらな林を描いた次第です。

祇王寺にて」:(2009.11.24)

祇王寺は真言宗大覚寺派の寺院で尼寺だそうです。ここはまた平家物語の舞台になった寺院でもあるそうです。ここの紅葉も他の寺院に負けず劣らず美しさを競っていました。

祇王子の竹林と紅葉」:(2009.11.24)

竹林はこの祇王子と常寂光寺にもありましたが、紅葉と竹林がミックスし紅葉ばかりの景色より変化があって、お互いが補い合っているという感じがします。珍しいので描きました。

「落柿舎遠望」:(2009.11.24)

落柿舎は松尾芭蕉とかかわりが深い建物で、芭蕉の弟子の向井去来の別荘であったとのこと。去来が庭の柿を売る契約をした後、柿がすべて台風で落ちてしまったためこう呼ばれているとのエピソードもあるようです。ここでは丁度柿がたわわに実っていました。絵にも入れてみましたが小さすぎて不鮮明です。
「嵐山と渡月橋」:(2009.11.24))

この日最後の見物場所になりました。紅葉が他の木々の緑と鮮やかにミックスした景色はまさに本来の嵐山の姿だと感じましたが、絵にはなかなかうまく反映できず、夕方の嵐山になってしまいました。
「桃山温泉月見館」:(2009.11.25)

この日の宿泊場所です。京都市の南部、宇治川に面した古風な宿でした。料理も私たちの口に合い特にスタッフの方たちの対応が良かったです。昔宇治川を通して京都と大阪間を運行する三十石船があったそうで、今もその船が庭に置いてありました。

「東福寺へ向かう道」:(2009.11.25)

朝月見館を出て北上し、東福寺に向かいました。京都の秋はどこへ行っても大なり小なり紅葉を見ることができ、沿道の紅葉狩りもよいものです。あまりうまく出来なかったですが松の緑と紅葉のコントラストを描きました。

「東福寺の紅葉」:(2009.11.25)

東福寺は臨済宗東福寺派大本山です。ここは境内のすべてが紅葉で埋め尽くされているという感じで、特に境内の中央部にある通天橋から見る景色は圧巻です。この絵もそこから撮った写真で描きました。ウイークデーの昼間でしたが、通天橋は見物客でごった返していました。
「醍醐寺本殿」:(2009.11.25)

醍醐寺は、真言宗醍醐派総本山 です。ここは桜の名所としての方が有名ですが、秋のモミジもなかなかのものです。もっともここでは三方院から下醍醐を経て上醍醐とたくさんのお堂があり、拝観甲斐?のある寺院だと思います。この金堂は境内の中央部に位置しています。

「醍醐寺五重塔」:(2009.11.25)

金堂の東に位置する五重塔は総高38メートル、うち相輪部は12.8メートルで丁度3分の1を占めているとのこと。これの建設はさぞかし大変であったと想像できます。私自身五重塔については過去にも興福寺で描いたことがありますが、今回同様なかなか手間がかかりました。