「再び新緑を愛でる」 (2000.6.15掲載)

今年のゴールデンウイークは妻の体調が優れないため、外泊を伴う遠出に代えて毎日近郊にドライブすることとしました。このため例年以上に新緑を楽しむことが出来た反面、スケッチのために時間を費やすことが出来ず作品も例年の半分程度です。
しかし先月26日には私たち夫婦に初孫(長男の長女)が誕生したほか、この6月15日は妻の誕生日にも当たりますのでこのページを多少メモリアルなものにして、今回は腹話術で有名な「いっこく堂」の実演をスケッチ出来たので、貴重な絵をご紹介します。

「いっこく堂と鳥」:(2000.4.14)

二男夫婦の招待を受けて名古屋のテレピアホールで、「いっこく堂ボイス・イリュージョン「にぎやかな一人」」を見ました。「いっこく堂」について私は何の知識も持っていなかったのですが、沖縄出身の腹話術の名人と聞き、実演に接してその素晴らしさに感動しました。妻が同行出来なかったのは残念でしたが、観客席の最前列で二男夫婦と共に堪能することが出来ました。本人は口を全く開くことなく流暢に話が出来る、まさに天才です。突然他界された小渕前首相が沖縄サミットでのアトラクションとして計画されていたのもうなずけました。なお今回の「いっこく堂」では4点描くことが出来ました。
「いっこく堂と師匠」:(2000.4.14)

「いっこく堂」の腹話術に登場するものは、鳥のぬいぐるみ・人形・マネキンなど数多く、それらとの「対話」は途中の休憩を含めて約2時間続きました。その話題も愛知万博・中日ドラゴンズなど必ず地元に関係あるものを中心にして、心憎いまでに聴衆を引っ張り込んでいます。年齢は30代でしょうが、各地のツアーに当たっては相当の情報収集と話題の構築に努めていることが良く分かります。これからも頑張ってほしいものです。
「渋谷・宮下公園にて」:(2000.4.18)

渋谷駅の北側に山手線に沿って位置する細長い公園です。この絵を描いたのは午前中で人通りも少なく、ホームレスと思われる男性数人がたむろしていました。ホームレスはどこでも見かけますが、最近はかなりリッチな身なりの人も居るようです。次第に暖かくなって彼らの住環境も向上することでしょう。
「春・可憐な賑い」:(2000.4.23)

私の庭に咲いた「なばな」です。最近園芸に登場する花々は種類が多いうえ、非常に美しかったり特徴のあるものが増えています。この花は野草であまり目立たないですが薄い紫が可憐な印象を与え、この時期にはいたるところでお目にかかりますのでこのようなタイトルにしました。私が花を描く場合繊細さとか色合いにこだわらずに感じたままを表しているつもりです。しかし最近は花に対する情熱が薄らいできたようで、少し個性の表現に努めるなどして花に取り組まねばと思っています
「小牧・四季の森・虹の滝」:(2000.5.3)

ゴールデンウイークはほとんど毎日自宅から百数10km程度の距離をドライブしました。この絵は隣接する小牧市の自然公園での光景です。人工の滝で美しさはいまいちですが、子供たちが安全に水と戯れる事が出来るように小岩などが適当に配置されているのが特徴です。
「新緑の貞照寺」:(2000.5.5)

このお寺は岐阜県各務原市の最東部に位置し、日本の女優の祖といわれ数年前NHKの大河ドラマ「春の波涛」のヒロインのモデルになった川上貞奴が、昭和8年(1933年)に自費で建立した異色の寺です。川上貞奴は木曽川の発電事業を興した福沢桃介の愛人としての方が
私には関心がありますが、このような立派なお寺を開創した信仰心の深さと、財力には驚きます。現在のお寺は「成田山貞照寺」として、昭和35年(1960年)に大修復・再建運営されて現在に至っています。ここはNHKのドラマが放映された時期には連日多くの参拝客で賑っていましたが、現在では人影もまばらで駐車場には3〜4台の車が止まっていただけです。
「ゴールデンウイークの朝」:(2000.5.6)

今年のゴールデンウイークは長い人で9連休、短くても5連休でした。この絵は私の地元の最も大きな「岩倉団地」の一角の、ゴールデンウイーク最後の土曜日の朝を描いたものです。ここでは遊園地で遊ぶ家族や子どもの姿は見当たりません。連休で外出中か連休疲れで朝寝坊しているためと思われます。彩色を施した貯水塔が新緑の中にひときわ目立っていました。
「新緑の南宮大社」:(2000.5.6)

この神社は岐阜県西部の垂井町にあり、国の重要文化財に指定されています。「南宮大社由緒略記」によれば壬申の乱頃(7世紀)に建立されて後10世紀頃には大社となっています。その後各時代の将軍等に利用されたり補強されてて来ましたが、関ヶ原の合戦(1600年)に炎上し寛永19年(1642年)徳川家光によって現在の社殿が造営されています。現在ではここは全国の鉱山・金属業の総本宮として多くの事業者が参詣しており、垂井町はここの大鳥居を中心に栄えた町だそうです。私が妻と訪れた時は外国人を含む10数人が参拝していました。
「岐阜美山町・行徳岩」:(2000.5.7)

岐阜県の西北部に位置するこの町のメモリアルは「本能寺の変」あるいは「三日天下」で有名な「明智光秀」生誕の地で、この岩は光秀の母が妊娠中に息子(という予感?)が天下を取れるよう祈って行水をした場所との言い伝えがあるものす。特別変わった岩でなく近くに目印もないため、道路脇の標識から辛うじてわかる程度です。ここから車で10分暗いのところに光秀を祭った神社がありますが、ほとんど朽ちており参拝客もまったく見られない、まさに光秀の末路をあらわしている漢字でした。
「新緑を描く娘」:(2000.5.9)

久しぶりに休暇を取って、私の地元に隣接する春日井市の市民緑地公園に妻と出かけて新緑を楽しみました。この絵はタイトルの通り女子高生と思われる数人が写生している風景の一こまです。真剣な表情で遠くを見てすぐ画用紙に写し込んでいくのを繰り返していましたが、こちらの絵の輪郭だけ出来上がったところでどこかに姿を消してしまいました。
「立夏過ぎの一日」:(2000.5.9)

上と同じ場所での課外活動中の中学生の昼食風景です。思い思いの格好でおにぎりをほおばっています。この位置から彼女たちの話は聞こえませんが、かなり長時間楽しそうに話し込んでいました。この日は5月上旬にしては結構気温が高かったので、彼女たちの服装にも初夏が感じられます。
「道の駅「夢さんさん谷汲」にて」:(2000.5.14)

「道の駅」というのは日本のいたるところに作られており、「道の駅」に関するガイドブックによると、これは国や地方自治体が全国の一般道路整備に際して、「休憩」・「情報交流」・「地域の連携」の3つの機能を有する施設として設置しているもので現在では全国に約500個所あり、将来2000個所まで増やす計画があるとのことです。地区によって規模はさまざまですがいずれもその地域のPRに努めていることが伺えます。ここは岐阜県の谷汲村にある道の駅です。なぜ「夢さんさん」なのか調べ損ねましたが、周囲の山々と調和しこの施設を取り囲むように遊歩道を中心とした緑地が心を和ませて暮れます。
「母の日のプレゼント(奈美子さんより)」:(2000.5.14)

5月14日は母の日、今年も長男のお嫁さんがプレゼントを贈ってくれました。彼女のくれる花は毎年モチーフに特徴があります。今年のものはこのようにガーベラの花がタワー状におかれ、下部にはクリーム色のバラが並んだ配置になっていました。彼女もこの花を贈ってくれた時はまだ身重でしたが、現在では女の赤ちゃんの母親で初めての子育てに奮闘中だと思います。誕生して4日目に妻と上京して初孫と対面しました。長男夫婦に似て大変かわいい赤ちゃんです。
「母の日のプレゼント(良治・久美子さんより)」:(2000.5.14)

上のプレゼントと同じ日に贈ってきました。二男たちは昨年12月に結婚したので初めての連名ですが、昨年はまだ結婚前の二人から別々にもらいました。若者たちに独身者が急増している中で、私たち夫婦は長男に初孫が出来、二男も結婚してくれたのでやっと社会的な責任が果たせたと安心しています。ただ妻の体調が早く回復するようにと願っている今日です。
「新緑の山村」:(2000.5.20)

岐阜市の北部約20kmの山村風景です。この日は小雨がぱらついていたため、新緑が一段と美しく感じられました。絵の中央の建物は工事中ですが、洋風であるうえかなり大きいのでこの部落にはマッチしない、そんなことを感じながら描きました。この絵を描いた場所も「道の駅」の一つです。