「2000年の梅雨一休み」 (2000.9.01掲載)

今年の夏は連日猛暑が続き、今月に入ってもしばらく残りそうな気配です。私の方も暑さをしのぎつつ葉書絵の制作を続け、最近は東京・日本橋界隈でのスケッチを中心にこつこつと枚数を増やして、全作品数は1200点を超えました。
このページでの葉書絵のご紹介は2ヶ月半ぶりとなりますので、今回はその間に描いた数10点の中から、20世紀最後の梅雨の晴れ間を利用して描いた15枚をご覧頂くことにしました。

「名古屋キャッスルホテル」:(2000.6.2)

名古屋での仕事のついでに、名古屋市内で目にしたいろいろな光景を描きました。このホテルは名古屋の代表的なホテルの一つで今でも由緒ある家柄の結婚式や、著名な人たちが出席するパーティーなどに利用されています。私の二男が勤務している民放が制作した「名古屋嫁入り物語」の結婚披露宴風景の一こまとしても時々利用されたようです。上の方の階の部屋から東(この絵の右側)を見ると名古屋城が一望出来ます。
「寝そべるホームレス」:(2000.6.2)

上の絵と同じ日に名古屋セントラルパークで描いたものです。
まだ6月になったばかりなのに、このように上半身裸で気持ちよさそうに寝そべっていました。周囲にはこのように青や黄色のビニールシートのほか、雑誌・古新聞・得体の知れない袋物が所狭しと並んでいました。
「携帯電話する女子高生」:(2000.6.2)

携帯電話の普及には目を見張ります。特に女子高生を中心とする若い男女は、乗り物の中では電話器とにらめっこして忙しそうに指を動かし、歩いていても電話器を耳に当てて何かつぶやいている。もう携帯電話は彼らの体の一部になりきっています。この女子高生も私がスケッチしていることに気がついてもぜんぜん気にせず、何度も電話器を操作していました。私も携帯電話を持っていますがもっぱら「携帯」専用です。
「初夏の塩竃神社」:(2000.6.4)

5月26日私たち夫婦に初孫(東京在住の長男の長女)が生まれました。このお宮さんは名古屋市内にある、安産の御利益で有名な神社です。以前長男からお嫁さんのお腹に赤ちゃんが出来た、との連絡をもらってすぐ安産祈願をしましたので今回はお礼参りです。初夏の少し蒸し暑い日でしたが、境内は赤ん坊を抱いた若いご夫婦や、おじいちゃんおばあちゃんと一緒のご家族で非常に賑っていました。私たちもあのようなご家族にあやかってみんなでお参りしたいものです。
「初夏のドクダミ」:(2000.6.11)

自宅の庭の一角にはドクダミが自生し、取っても取っても増えて困っています。むしると手に独特のにおいが付着します。しかし可憐な花は憎めません。早速絵にしてみました。葉の緑と薄いピンクの取り合わせが良いです。最近妻が「絵てがみ」を習いはじめ、ドクダミを題材にして描きました。太い墨の線に囲まれたモチーフがドクダミの表情を力強く表わし、私の絵の「可憐さ」とは大分違っています。
「妻への誕生日プレゼント」:(2000.6.16)

6月15日は妻の誕生日です。今年はウン回目ですが、私からの誕生日プレゼントには長い間お目にかかったことがないと、驚きながら非常に喜んでくれました。
私たちのように結婚後30年以上も経た夫婦にとっては、このようなたまにしか贈らない身近なプレゼントでも、結構高価なプレゼントに値することがあることを実感しました。7本の赤いバラと4本の白いバラですが、1週間程後にはドライフラワーに変わっていました。
「紫の競演」:(2000.6.18)

自宅の庭に咲き競っている花々を一個所にまとめて描きました。左から「ムラサキツユクサ」・「アジサイ」下に「キキョウ」です。同じ紫でも青系から赤系、花の形状によって別な色合いを見せるなど、自然が作り出したさまざまな色彩の特徴は真似ることが出来ません。9月に入った現在これらの花はすべて無くなっていますが、また明年6月頃には同じ姿を見せてくれる筈です。
「鉢植もみじ」:(2000.6.18)

玄関先に置いた鉢植のもみじです。妻が実生の苗を丹念に育て、今では高さ50cmほどになっています。このもみじは本来緑色の茎ですが
先の方が赤色になっています。そういえば最近は1年中赤い葉っぱのもみじが増えてきました。尤もこれらは本当の赤色ではなく、茶色がかった紫色が多いようです。夏の間は妻が毎日水をやり、この小さな生命を絶やさないようにしております。
「紫色帽子の婦人と」:(2000.6.24)

岐阜県板取村は24kmにもわたる「あじさい街道」で有名です。また「あじさい街道」の途中に温泉浴場があり、浴場建物の前面のあちこちにも非常に珍しいあじさいが数多く植えられています。この絵はあじさいの大株のそばで昼食を取利ながら談笑している老夫婦を描いたもので、ご婦人が紫色の帽子をかぶっていました。私たち夫婦はせっかく温泉浴場に来たので早速入浴しましたが、偶然にも女性風呂は大阪方面からのバスツアー客でごった返し、妻はとても風呂を楽しむどころではないとぼやいて出てきました。
「美濃加茂・正眼寺境内にて」:(2000.7.1)

美濃加茂市伊深町にあるこのお寺は自宅から車で約1時間にあり、落ち着いた境内と荘厳な建物は参拝者の気持ちを平安にしてくれます。妻はここにお参りすると御利益があると信じており、最近は2〜3ヶ月毎に2人で参拝しています。葉書絵も本殿はすでに描き以前このページでもご紹介しましたが、今回は境内にある仏像を中心にして描いて見ました。
「岐阜七宗町神淵・龍門寺」:(2000.7.9)

岐阜県七宗町は私の郷里の一部ともいえるほどですが、神淵(かぶち)という地区は全く縁のない土地でした。梅雨の合間を利用して自宅から約1時間半のここを初めて訪れ、この寺院の小さいながら落ち着いた風格に驚きました。ガイドブックよれば、ここは延慶元年(1308年)創建の臨済宗の古刹で、3度の火災に遭ったため現在の本堂と庫裏は天保元年(1820年)の再建になるものだそうです。この絵には出ませんが、総門には左甚五郎の作と伝えられる龍の彫刻もあります。
「すいとぴあ江南」:(2000.7.15)

江南市の最北部、木曽川左岸に近い所にある江南市の福祉文化施設です。何度もこの近くをドライブしても入館したのは初めてです。事故によって下半身が不自由となったために絵筆を口にくわえて制作している、野田武男さんと言う三重県在住の画家の油絵展示会が、ここで開催されていることを新聞で知った妻に誘われて来ました。野田さんの作品は花などを中心に30数点ありましたが、緻密なタッチながら自分の生きざまを筆先に集中させた恐ろしい程の気迫を感じた次第です。
「八重のベゴニア」:(2000.7.15)

ベゴニアは現在どこにでも目にしますが、妻がどこかで購入したこのベゴニアは花が大きい八重で葉っぱも少し大ぶりです。特に花の薄桃色と葉の緑色がうまく調和して、普通のベゴニでは感じられない上品さとささやかな豪華さを見せてくれています。
「サマーキャンプの準備」:(2000.7.22)

私たち夫婦の最近のドライブ先は岐阜県の中・西濃地方に偏っています。その理由は山の緑を満喫出来る、自宅から比較的近いなどですが、同じ場所でも時期によって変化するのがまた楽しみです。この場所は武芸川町の「寺尾ヶ原千本桜」といって親しまれている場所です。この時期はこのようにキャンプ場としても利用出来るようで、夏休みに入ったばかりの小学生とその家族が器材や食材の整理など、キャンプの準備で汗を流していました。なお私たちはもう来年春のここでの花見を楽しみにしています。
「自家栽培の初物」:(2000.7.29)

妻が苗一株を100円で買い、庭に植えておいたキウリが意外に大きな実を付けました。長さ約25cm、太さ3〜4cmのずんぐりですが初物であるため早速描きました。塩もみにして食べたところ意外に甘みがあっておいしかったです。結局この茎には5個程度しか実らなかったのですが、払った金のモトは引けたようです。キウリと同時に100円で買ったミニトマトは、茎だけが立派に延びたものの実が3個程しか付かず、こちらは「採算割れ」です。しかも妻が一人占めし私には回って来ませんでした。妻がミニトマトにも肥料を十分に与えたのですが、全部茎に回ってしまったようです。ここでは株が少ないく、ミニトマトは花が小さいので蜜蜂などによる受精が不十分だったも知れません。