「冬の陽光・2001年春の兆し」 (2001.3.10掲載)

今年の冬は昨年暮れの予想に反して寒さが厳しかったようです。そのせいではありませんが私の葉書絵も最近は数が少ないです。本来なら今回のページを2001年冬の陽光として今年の作品だけを載せたかったのですが、考えた末昨年暮れからの作品を併せてご覧いただくこととしました。従ってモチーフが色々と変わり、タイトルも年末から新春までを表わしてこのようにした次第です。3月になって日差しは少しずつ温かみをおび、21世紀初めての春の到来を告げています。まさに2001年春の兆しです。

「静寂・勤めをはたして」:(2000.12.2)

自宅近くで見かけた風景です。稲の収穫が終わった田んぼに藁が束ねて雑然と並べられています。前方の木々にはまだ紅葉が残り、秋の名残を見せています。自然のすべてが西暦2000年の四季の終わりを告げているようです。しかしよく見ると田んぼの土の間には稲株から新芽が顔を出しています。暦に決められた時間の区分に抵抗しているかのようです。
「師走の佐衛門橋通り」:(2000.12.19)

東京の浅草橋付近のアングルです。師走を象徴するように柳並木の間を多くの大小の車が行き来しています。日本橋付近にはこのように人名のついた道路がかなりありますが、江戸時代の町民の活躍をたたえてつけたものでしょう。
「奈美子さんからクリスマスプレゼント」:(2000.12.22)

東京に住んでいる長男のお嫁さんが妻に贈ってくれたプレゼントです。この絵はポインセチアを中心に描いたものです。本物は鮮やかな深紅とピンクの花が添えてある緑の植物と調和して印象的ですが、ポインセチアは色が余りにも単一過ぎて絵にすることが難しいと思いました。なおポインセチアの赤やピンクの部分は苞葉で期間を経ると茎の下部の方から緑色に変わってきます。また花の中心部は人のくちびるに似た数ミリの横長状で非常に可愛いものです。長男夫婦には昨年5月に女の子が誕生し、現在では9ヶ月半になって伝い歩きが出来るまでに成長しました。
「木枯らしの中の浜町公園」:(2000.12.25)

浜町公園は私の事務所に近いので、昨年はかなり多くの葉書絵を描きました。ここでの冬の絵は初めてですが、この寒さの中でも相変わらずホームレスと思われる人たちが思い思いの姿をみせています。落葉間近かの小枝の下で、弁当を食べながらご飯粒かおかずを鳩に与えているようです。前かがみの姿は、野鳥とともに木枯らしに耐えて生きる人間の哀れを象徴しているようです。
「飛騨小坂・厳立太鼓」:(2001.1.2)

私の自宅から車で10分足らずのところに、昨年暮れ大きなスーパーマーケットが2ヶ所出来ました。一つのマーケットで正月の初売りを覗いたところ、このようにパーフォーマンスを見ることが出来ました。岐阜県飛騨小坂から来たという、男ばかり10人程の太鼓と獅子舞のグループです。この絵はおかめに扮して太鼓を叩いているものです。たった15分ほどの演奏でしたが、マーケットの狭い空間は太鼓の音と演奏者と客との掛け合いで結構楽しめました。獅子舞の絵にも挑戦しましたが動きが速く失敗でした。
「雪の朝」:(2001.1.21)

今年2度目の雪を自宅の庭で描いたものです。10cmほど降りましたが朝日で少し解けています。横に張り出している松の枝は雪の重みで垂れ下がってしまいますので、このような時には妻のアドバイスに従って雪を落とすことにしており、この絵も雪落としの前に描きました。今年は東京以北で大雪に見まわれましたが、こちらでは余り多くなかったものの近所の子供たちは雪だるまなどを作って楽しんだようです。
「土岐市・道の駅・どんぶり会館」:(2001.2.10)

岐阜県土岐市内に設けられた道の駅には、このようなどんぶりの形をした屋根がある陶磁器の店があります。屋根と名前はこの地方の地場産業である陶磁器をモチーフしたもので、屋根のユニークさには驚かされます。店の中には多くの陶磁器が並べられ、多いとは言えない客が品定めをしていました。暖かくなれば多くの観光客が立ち寄ることと思いますが、ここの商品はどちらかといえば日用品中心であるため、売上はどうでしょうか。なおこの絵は2001年彩水会展に出品しております。
「冬日・くつろぐ母子」:(2001.2.18)

日曜日の午後近くのグランドで見かけました。この子のお父さんはサッカーか何かの練習をしており、お母さんと日向ぼっこをしながらお父さんを待っているという感じです。大きなペットボトルに口をつける男の子に向かう母親のまなざしから、私は若い家庭の穏やかで温かみのあるほほえましさを感じ取ることが出来たような気がします。
「春を待ちかねる」:(2001.2.18)

自宅付近の畑で見かけました。中央の茶色いものは白菜です。藁でくくられたものもあり、間もなく切り取られることでしょう。向こう側には畑を耕している農婦、さらに前方には肥料を撒いている人たちがいます。寒さが少し緩みあちこちでこのような光景を目にします。春はまだかもう直ぐか。どちらにしても農家の人たちには忙しい時期がやって来ます。
「冬の陽光」:(2001.2.19

冬の太陽光線が寒さに抗ってはだかの並木や道行く人たちに当たっています。ここは東京中央区の甘酒横丁の南端、浜町公園正面付近です。この辺りも何点か描いていますが、緑から遠ざかった風景は別のイメージを表します。あと1・2ヶ月で再び新芽を吹き出すことでしょう。このページをご覧いただく頃には歩いている人たちもコートから開放されていることと思います。
「神田・学士会館」:(2001.2.22)

私がかかわった仕事の成果がある団体に表彰され、この日この場所で表彰式が行われました。式まで時間があったので描いたものです。この場所は日本大学発祥の地で、明治10年(1877年)4月東京大学の前身である東京開成学校が設置された場所だそうです。学士会館は旧帝国大学の卒業生が交流する場として建てられたもので色々な活動に利用されているらしく、この日も多くの人たちが出入りしていました。
「岩倉新市庁舎より南方をのぞむ」:(2001.2.25)

私の地元岩倉市の市庁舎が建て替えられ、4月からオープンとなります。この建物は地上8階地下1階高さ約45mのスマートな建物で、この地方の市庁舎としてはかなり立派という印象を受けます。この日建物内部見学会が開催され午後出かけて一通り見てきましたが、この絵を描いた8階から見ると見晴らしが非常に良く、北は中央アルプス南は名古屋市内まで良く見えます。この絵は南方向を見たもので中央右の突出部は名古屋駅のJRツインタワーです。残念ながらここからこのような景色に接することが出来るのは、市会議員など市の有力者であるため私はこれが最初で最後となるかも知れません。