「冬の情景と春の序章」 (2003.3.1掲載)

今年の冬は暖冬との長期予報が途中で変更されるほど関東以北は寒い日が続きました。また今年は全国的にインフルエンザが流行し、それが下火になったと思ったらもう1月末頃から花粉症が蔓延するなど、不景気に追い討ちをかけるように肉体的な苦痛を強いられている人たちも多い年になったように思います。私自身もこの冬は珍しく風邪には縁が無い代わりに2年ほど前に取り付かれた花粉症に見回られ始めました。それでも葉書絵の方はモチーフがばらばらながらそこそこやっております。今回は正月過ぎに見かけた冬の情景から、少しずつ感じる春のおとずれをを描いて見ました。

「新年に見たメモリアル」:(2003.1.1)

元日に熱田神宮への初詣の後、愛知県作手村方面までドライブして見かけたものです。山間の一角が公園風になっているらしく、このように上部に鬼の顔を描いた高さ10m程の大きな標識が青空の下に威勢よく建っています。ここは本宮山ドライブウエーの有料道路入口ですが、元日のためか行き交う車は殆ど見かけず、静かな景色を楽しむには十分でした。

「正月の焼き芋を買う人たち」:(2003.1.3)

岐阜県関市の迫間不動・農産物直売所では初詣客を当て込んで焼き芋を売っていました。このように数人の客が交互に入れ替わって買い求め、ほおばりながら暖を取っています。最初見たときは無料で配っていると思いましたがなんと1個100円とのこと、結局買うことも無くそばを離れました。しかし正月3が日にサツマイモを食べると何かご利益があったかも。

「凍った滝」:(2003.1.3)

迫間不動参道横にあるこの滝には珍しく多くのツララが垂れ下がり、氷の芸術を見せてくれています。滝の水量は昨年秋以降の天候の変化によって増減しており、今は減水しているので厳しい寒さでツララが出来たものと思われます。この滝は過去何度も描いているので絶えず滝の活動?を観察していますが、真冬の光景も風情があります。

「丸子橋遠望・新幹線より」:(2003.1.8)

この橋は東京(この絵の右側)と神奈川県の境界を流れている多摩川にかかっております。この絵では右半分のアーチしか描いていませんが、左側はアーチがなくて同じほどの長さが続いています。私は毎週1〜2回新幹線に乗ってここを通っており、この日は初出勤でもあるのでデジカメに収めて初めて描きました。真冬でも比較的穏やかな日和のため緑こそありませんがこうしてみると美しい光景です。例の「タマチャン」はおそらくこの川の下流に出没しているはずです。

「水を飲むカラス」:(2003.1.8)

上野の不忍池には種々の鳥類が生息しています。このカラスは池の南側通路に設置された手洗い用水で水を飲んでいました。よほど人にはなれているらしく、2〜3m近くまで接近してもこのように居座って、むしろ横着を決め込んでおります。カラスは利口な鳥で女の子などが近づくと頭髪を引っ張られることがあるとの話を聞いたことがありますが、このような姿を見るとカラスが人間との長い間の付き合いを通して人間に似た習性を身につけたのではないかと考えられるほどです。
「真冬の不忍池弁財天遠望」:(2003.1.8)

不忍池が真冬になると葦のような長い葉が枯れて黄色に変わります。その向こうには弁財天が黒みがかった緑に囲まれて建っています。春の桜の時期や秋の紅葉のシーズンと比べてなんと話題性に欠けることか。寒い朝のことでもあり池の周囲を行き交うはも殆ど目もくれず過ぎ去っ行きます。
「神田明神初詣」:(2003.1.8)

昨年から職場の初詣でここに来ています。この時期は殆ど会社関係の団体による初詣でごった返しますが、今年は昨年より少ない感じです。尤も不景気であっても「神頼み」だけは欠かさず、お布施で加減しているかも知れませんが。しかし朱色の立派な本殿の前に立つと多少心が引き締まるのは不思議なものです。
「真冬の日溜りを楽しむ」:(2003.1.10)

自宅から車で約40分の岐阜県川島町にある河川環境楽園での一こまです。1月上旬というのにかなり暖かい日であるため、親子連れが小池のほとりで遊んでいます。子供の中には池に足を入れており、見るだけでも寒い思いをしました。この公園は目下整備中ですが、面積は相当広く遊具も多いので春から秋にかけてはかなりの家族連れでにぎわいます。
「冬の水車小屋」:(2003.1.10)

河川環境楽園にはこのような水車小屋も設置されています。小屋の中から杵の音も聞こえてくるので、米でもついているかもしれません。まだ真冬であるため周囲の草木は枯れたままですが、新緑になればさぞかし楽しいひと時が過ごせることでしょう。私もいいまや3人の孫がおり、機会があれば連れてきて周囲を散歩したり野草を取ったりしたいものです。
「河川環境楽園・大滝の冬」:(2003.1.10)

河川環境楽園というだけあってこのような滝まで造られています。本来ここは木曽川と岐阜県南東部にある境川放水路に囲まれた丘陵地であるため、その高低を利用して林や小川などが自然に近い形に配置されています。ただこの時期では木々の緑を鑑賞できませんので、これから暖かくなってこの滝の周囲がどのように変わるのかが楽しみです。
「立春過ぎたある日」:(2003.2.9)

ここも私の自宅から車で30分ほどのところにある一宮市の138タワーパークの一角です。ここでは以前からかなり多くの絵を描いていますが殆ど暖かい時期であり、向こうの時計台などは樹木に隠れて殆ど注意を引きませんでした。木々が落葉すると同じ場面でも新たな展開があるなど、普段見えなかった景色に出会うことがしばしばあります。
「春を待つ遊具」:(2003.2.9)

上と同じ138タワーパークの一角でタワー近くに設置された遊具です。やはり遊んでいる家族が少なく遊具は手持ちぶたさの感じでした。遊具自体はそれぞれの形状に変化があり原色が施されているので絵にはしやすいです。またこの公園は主として花が中心であるためどちらかといえば子供より若者以上向きと言えます。
「開花開始・わが家の椿」:(2003.2.21)

この椿は植樹後かなり年月がたっているのにあまり成長せず、花が小さいうえ色もピンクでごく控えめのため過去私の絵のモチーフになったことが一度もありませんでした。しかし最近冬場のモチーフに事欠いてきたので、トライしてみたのがこの絵です。やっと開花しはじめたもので、かえって可憐な趣が出ました。ところで「木偏に春」はツバキ、「木偏に夏」はエノキ、「木偏に冬」はヒイラギです。ところで「木偏に秋」はキササギと読み庭木や野山に自生してササゲ状の種子をつける高木だそうですが私たちになじみがないです。また碁盤の別称でもあるようです。

「国道156号線のある風景」:(2003.2.22)

国道156号線は岐阜県岐南町から富山県高岡市まで通じているようですが、多くは山岳地帯や川を横切っているのでこのような光景は多くあるはずです。ここは美濃市北部で長良川にかかる「新立花橋」と向こうが「立花トンネル」です。橋が車道と歩道に分かれているのが特徴ですが、なぜかトンネルは1つです。それはそれとしてモチーフとしては大変面白く丁度車も多くなかったので楽しんで描きました。
「開花急ぐ福寿草」:(2003.2.23)

わが家の福寿草は毎年最も早く芽を出す植物です。今年も2月初めに少し芽が出て、月末には一部が開花しています。夏すぎにはは枯れますが球根がしっかり成長して、冬に可愛い花を咲かせてくれるので寒い冬に暖かさを与えてくれる頼もしい植物です。毎年全部が開いたところで花の数を数えますが最近は40個前後で少しずつ増えています。今年は何個くらい咲くのかなあ。