「師走・新春・真冬の情景」 (2004.2.15 掲載)

早いもので平成16年がもう1ヵ月半を経てしまいました。この冬私は正月の初詣以外余り新しいモチーフに出会うことがなく、あちこちで目にした事物や風景を葉書に写し取ることの繰り返しに終りました。それでも描くモチーフにした対象によっては出来るだけ由緒や内容を調べることにしているので、今回も全てではありませんが面白い解説も加えることが出来たと思います。なお建物や有名な場所などについてはそれぞれのホームページで解説されているので、大いに助かります。
「池袋の居酒屋で見た戯画」:(2003.12.8)

池袋のサンシャインビルで行われた会議の後「笑笑(わらわら)」という居酒屋に入って飲んだついでに、壁にかけてあった額絵を模写したものです。7匹?の河童が景気をつけるために踊っている様子でしょうか。河童が振っている旗の「がんばれ」と右下の「気楽に気楽に」は現在の私に向けて言っている様で、これを見ていると元気づけられる気がします。今年は何人かの人に寒中見舞いを出しましたが葉書にこの絵をプリントしました。
「馬喰町商店街にて」:(2003.12.15)

年末商戦華やかな日本橋・馬喰町の一角で見つけました。クリスマス直前でもありこのようにかっこいい?衣装をまとったサンタクロースの人形が商品広告を持って立っている、なんともほほえましい光景です。馬喰町界わいはブテイックや衣服専門店が軒を並べ、華やかな婦人服やちょっと風変わりな衣類をかけた架台が所狭しと並べられています。しかし店への客の入りは今いちという感じでした。

「銀座・泰明小学校」:(2003.12.19)

銀座の繁華街に残されているこのレトロな建物は、創立120年以上を経た由緒ある小学校で卒業生には北村透谷や島崎藤村が名前を連ねているそうです。この校舎は関東大震災後に再建されているため当時としては珍しく耐震設計の鉄筋コンクリート造りで、半円アーチが連続する窓なども特徴的です。またこの絵の中央の門はフランス貴族の館から移設されたもので、そのほか周囲の塀なども地元企業の寄付によって改装が行われ、東京都の歴史的建造物として長期保存されるそうです。。
「十五年暮れの大雪に耐える松」:(2003.12.20)

しばらく暖かく感じられた冬でしたが、師走半ば過ぎになって名古屋近郊は大雪に見舞われ、積雪量はおよそ15cmくらいでした。この絵は自宅庭の松が大雪に見舞われてその重さにやっと耐えているという光景を描いたものです。枝が折れないかと妻が心配するので、描き終わった後すぐ竹ざおで枝を揺り動かし雪落としをしました。結局積雪は年末ぎりぎりまで残り、近くの遊園地では冬休みに入った子供たちが作った雪だるまが所在なさそうにしばらく立ち尽くしていました。
「正月の山に青木実る」:(2004.1.2)

青木の実は秋に色ずき色も赤ばかりと信じていたので、この時期に実るのは珍しくいずれすべての実が赤くなると思っていました。しかし図鑑によると赤以外もあるようで品種も多いとのことです。この青木はよくお参りする迫間不動の参道付近に自生しているもので、1月終わり頃にもそのままの色をとどめているのを見かけました。
「初詣に暖を取る人達」:(2004.1.2)

この正月も迫間不動に初詣でしました。例年境内はこのように焚き火がたかれますので、グループで来た人達はこのようにサロンを作って時間をつぶしています。ここで気になることが1つ。燃料にしている木材は建築材料の切れ端のようですが、中には長さ1m以上のものもありまだ有効な使い道がありそうな気もします。初詣でして神仏にご利益をお願いしたものの、自分の職業柄理屈っぽいことに気持ちを奪われるひと時になりました。。
「田県(たがた)神社の初詣」:(2004.1.2)

小牧市の西部に位置するこのお宮は自宅から車で小1時間であるため、ほとんど毎年初詣に出かけています。今年は正午過ぎに付きましたがかなり多くの参拝客でにぎわっていました。またこの神社のご神体は男性のシンボルで、毎年3月に行われる祭礼では長さ2mほどの桧造りのシンボル神輿を厄年の男性たちが担いで練り歩くという奇祭で有名です。このお祭りは残念ながら一度も見ていませんが。
「小山観音に初詣で」:(2004.1.4)

美濃加茂市の東北部で飛騨川が木曽川と合流する直前に位置する小島にこのような観音堂があります。私が初詣でここを訪れるのはずいぶん久しいですが、この日は晴れ上がっているのに風が強く参拝者もちらほらでした。このお堂は以前にも描いたことがありますが、何しろ狭い土地いっぱいに建てられているため、このような屋根を中心とした絵になります。しかしそれぞれの辺の曲線が調和しており楽しい作品になりました。
「神田明神に初詣で」:(2004.1.6)

今年も職場の安全祈願で訪れました。私たちのようなグループ単位で祈願している人は、昨年に比べてかなり少なく感じましたが、やはり不景気の影響でしょうか。神田明神のホームページによるとこの神社は天平2年(730)の創建で、天慶の乱で戦死した平将門をここに祀りいれたとの記述があります。また商売繁盛もさることながらすべての縁結びの守護神として親しまれているとのことです。
「名鉄犬山線の特急」:(2004.1.7)

私の自宅近くにある踏切を名鉄特急が通り過ぎる光景です。犬山線は列車本数が多く、この踏切も相互乗り入れの地下鉄を含めると多い時間帯では1時間に上下20本(うち特急列車は4本)程度が通過します。この列車は犬山方面から名古屋に向かっており、少しカーブしているため動きのある絵になました。尤もウイークデーの日中ダイヤのため乗客数は少ないようです。
「蝋梅・満開間近か」:(2004.1.15)

冬の真っ盛りにいち早く見かけるのはこの蝋梅の花です。梅の名前がついていますが梅とはまったく別物で、名前の由来は花びらが蝋細工のように見えるためとか、蝋月(旧暦12月)に花が咲くからなどがあるようです。あちこちの畑の一角にありますが普段は全く気づかず、絵の題材として探して始めてその存在を知ることになりました。花の香りも良いと聞いていますが、風の吹きさらしに合ってそれも味わうことが出来ませんでした。
「大寒にアロエ健在」:(2004.1.19)

 1月20日は大寒、この絵はその前日に描いたものです。職場近くにある東京中央区立スポーツセンター建物の壁際に咲いていました。大体アロエはサボテンの1種のため夏の花ですし、それもめったに見られないと思っていたのですが、このような時期に元気よく咲いているのを見ると寒さも忘れる心地でした。サボテンはいずれも同じですが、葉などの形からは想像できない花が咲くので絵画向きです。
「清正公寺のプリムラ・ポリアンサ」:(2004.1.19)

プリムラはサクラソウ属の学名で、プリムラ・ポリアンサはヨーロッパ原産の園芸種だそうですが、このように古風なお寺の境内に鉢植えしてあるのを見ると少し印象が違います。またこの種類としては一般に小型の花を花屋さんで見かけますが、ここの実物は直径数cmとかなり大きく見栄えがします。赤と白それぞれ1鉢が並べられていたので、できるだけアピールできるよう赤だけを大きく描きました。

「節分間近かの水天宮交番」:(2004.1.29)

水天宮は日本橋七福神の1つです。節分には相当多くの参拝者が訪れるものと思いますが、この日は節分まで5日あり水天宮交差点も平常の人出という感じで、屋根に特徴があるこの交番の警察官もとりあえずはのんびり立っておりました。ところで地下鉄半蔵門線は一昨年まで水天宮が終点でしたが、今は隅田川をくぐって東北部の「押上」という駅まで伸び京成線につながりました。
「大阪・御堂筋線西中島南方駅にて」:(2004.1.30)

大阪に出張したとき、新大阪から地下鉄御堂筋線で都心に出ました。ここは新大阪駅の次で、電車が地価から地上に出た初めての駅です。私は新大阪駅から線路が沿っている道路・新御堂筋を約20分をかけて歩きました。駅名としてはかなり長く南方とつくのが面白いですが、この駅のさらに南方数100mには淀川があるのでそこへも足を運びました。河川敷が非常に広大な広場になっており若い人たちがスポーツに興じていました。