「多くの変化が訪れ、記録を塗り替えた2004夏が終わった」 (2004.10.1 掲載)

今年の夏は長期間の異常な暑さに見舞われ、最高温度が40度を越えたり真夏日が60日以上に達した地域が出ました。また8月末から9月初めに2つの台風が襲来して中国地方では最大風速60m以上を体験し、近畿地方では震度5近くの地震を一晩に2度も見舞われ、浅間山が20数年ぶりに噴火しています。このように日本人はかって体験しなかった自然現象に見舞われました。
しかも記録更新は自然現象だけでなく、なんと言っても圧巻はアテネオリンピックで日本はメダルを37個獲得して40年ぶりに記録を更新したことでしょう。それにプロ野球70年の史上初めてのストライキというオマケまで。また本当に痛ましい事件も発生し、多くの犠牲者が出たことも今夏の特徴のように思います。
このような状況の中でも私自身は「平凡な毎日」に堕したため、葉書絵作品は変わり映えしない結果になりました。
「釣人暑さを忘る?長良川にて」:(2004.8.3)

長良川上流の郡上市美並町での風景です。私は日中の猛暑に息も絶え絶えですが、釣人は当然ながら下半身を水中に浸してウキの注視に没頭しているので暑さなど感じないでしょう。
また今年の夏は多雨で水量の多い日もありましたが、この長い夏を多くの方がチャンスを狙って釣に興じたことと思います。この絵では遠方の山々を入れたので、釣人はアリほどの大きさになってしまいました。
「孫ができたサボテン」:(2004.8.8)

前回のこのページで紹介したサボテンに、たった2週間ほどのうちにこのように孫が出来てしまいました。このサボテンは毎日数mm成長するのでその変化には意外性があり、コブが増えるのは楽しみです。高さが数10cmになり今の鉢では不安定であるため、後日深鉢を購入して植え替えました。
ここまで来たら1・2年中に花を咲かせたいものと、初孫を待つ?気持ちで世話に精を出すつもりです。

「今年も元気で開花」:(2004.8.14)

この高砂ゆりは自宅庭に自生して数年がたち、毎年花の数が増えてきました。茎も一昨年から2本になりましたが、今年は妻が誤って折ってしまったので残る1本を大切?にして花を楽しむことができました。
家ではこのほか2個所に1本ずつ自生しています。高砂ゆりは生命力が強いので、いずれ庭のあちこちで多くの花を楽しめる日が遠くないと思っています。

「夏休みの親子・浜町公園にて」:(2004.8.16)

お盆の間の浜町公園で見かけた親子です。この日も日差しが強かったので公園の人影はまばらでしたが、3人の子供たちは三輪車に乗ったり遊具に熱中し、そばでは若い夫婦が手持ち無沙汰に見つめていました。
描いている間に子供の行動は何度も変化しましたので、この絵は半分創作が入っています。
「犬を抱き書類を見る女性」:(2004.8.20)

昼休みに東京の日本橋界隈を散歩中に見かけた光景です。喫茶店のテラスで若い女性が椅子にかけ、茶色のかわいい子犬を抱いて手紙か何か読んでいるようです。
ウイークデーの昼間にこのような姿でのんびりできる女性は滅多に見かけることがないので、羨ましさと奇異な感じを持ちました。
抱かれた犬も周囲に気を配っている様子はなく、猛暑の午後の気だるい一こまと言えるかも知れません。
「宵のチョウセンアサガオ満開」:(2004.8.20

帰宅途中の道端で見かけたチョウセンアサガオをスケッチして、家ではがきに描いたものです。
何本もの茎が地上に這い、大きな葉に囲まれた白い花が競うように咲いている光景は、周囲があまり目立たない場所のため却って人目をひきつける感じがします。
近年チョウセンアサガオは庭や畑の隅でよく見かけ、特に黄色や淡いピンクなどの花をつけた木立種も珍しくありません。私の自宅にも実生のチョウセンアサガオが白い花をつけています。
「「みなみ子宝温泉」駅」:(2004.8.21)

岐阜県郡上市の南部にあるこの駅は、旧国鉄から引き継いだ長良川鉄道が温泉に密着して設けたものです。この温泉は数年前にやっと営業を始め、温泉建物の一部を駅舎にして駅の名前も旧美並村にちなんでつけたものと思います。
列車を利用する温泉客はホームから1〜2分で温泉に入れると考えられますが、列車本数が毎時2〜3本のため入湯客はマイカー利用者が多いようです。
「東光寺弁才天(山県市伊自良)」:(2004.9.4)

東光寺は昨年市制が施行された岐阜県山県市の中央部にある古刹のようです。本堂は改修工事中のため境内にある小さなお堂を描きました。
地元から出ているホームページによれば、東光寺は裏庭が美しいようです。またこの弁才天で印象に残ったのはお堂の前の赤い端と、手前の池の左側に置かれた2羽の鶴の像です。
このお寺には改修工事が終わった時期にもう一度訪れたいと考えています。
「青山学院大学・間島記念館」:(2004.9.6)

仕事で国連大学本部に出向いた帰途に、青山通りをはさんで東側にある青山学院大学のキャンパスに初めて足を運びました。この大学は今年が創立55周年で、その源流は米国から派遣された3人の宣教師などによって創設された3校だそうです。
キャンパスは余り広くないですが、そのために緑に囲まれた建物はエキゾチックで落ち着いた風格が一段と感じられます。この間島記念館はキャンパスの中央部に建てられ、正面から見ると緑の植え込みの向こうに美しい姿が浮かび上がっています。
「ジャングルジクで戯れる子供たち」:(2004.9.6)

職場の近くにある児童公園での一こまです。数人の小学生がジャングルジムに登ったり降りたりして遊んでいます。子供たちの行動から、人間は本質的に高いところを好むことがよくわかりますが、ここでは一番高い所にいるのは偶然女の子でした。
2学期が始まってほぼ1週間、子供たちにとってはまだ勉強より遊びに熱が入っている感じです。
「美人のかかしオンパレード」:(2004.9.7)

岐阜県関市内の光景です。半分ほどの田んぼでは稲刈りが終わっていますが、ところどころこのようにかかしに見守られて稲穂を垂れている光景を目にしました。
かかしは漢字で「案山子」と書き、往年のかかしは「へのへのもへ」の顔で麦わら帽子をかぶり半てんを着て一本足で立っていましたが、最近はイチローなどの野球選手やタレントが主流となり、ここ1・2年はこのように美容院のヘアーセット見本のように「茶髪の頭部だけ」が圧倒的に多くなっています。
それぞれの表情は異なるものの美人顔が多いですが、からすの目にも「へのへのもへ」顔よりリアルに映り近寄りがたいのでしょう。
「郵便受で台風を避ける」:(2004.9.7)

台風18号が西日本に接近し、我が家も午後から風が強くなってきました。自宅の門先に設置した郵便受の裏蓋に、雨蛙が午後の数時間身動きもせずに留まっていました。
周囲は庭木に挟まれているので、風を避けたのか本能的に虫が近寄るのを待っていたのか、また後ろ足は何かあった時にすぐに飛び出そうと構えている感じです。しかし素朴な表情と淡い緑色の雨蛙を見ていると不思議にも心が癒される感じがします。
「初秋のシンボル」:(2004.9.13)

東京下町で見かけた彼岸花です。彼岸花は一般に土手の雑草の間に生えていることが多いのですが、ここでは車道に沿った花壇にありました。
また大部分の彼岸花は深紅のため珍しさはイマイチですが、このように淡色の花は却って印象深く描きたいという気持ちを起こさせます。彼岸花は花弁(花びら)・花糸(おしべ)・茎のいずれも細長く、花が終わったあとにやはり細長い葉が出てくるという、面白い特徴を持った植物と言えます。

「ナデシコ・初秋に可憐な花」:(2004.9.20)

東京の浜町公園を散歩中に目に留まったカワラナデシコの種を採取して鉢にまいたところ花が咲きました。色はこのピンクと白がほぼ半々です。植物図鑑によるとカワラナデシコは一般にナデシコと言われるようで、特段珍しいものではないことが判りました。ちなみに私の自宅から左程遠くない畑にたくさんのナデシコが植えてあるのを見かけ、わざわざ東京から持ち帰った意味は何だったかと興ざめした次第です。

「大松と白壁土蔵のある家」:(2004.9.23)

この家は岐阜県白川町にある私の実家で、私はここで15歳まで生活していました。現在は叔父と家族が住んでいますが、ここには先祖代々の墓地があります。父母の墓は他界するまで住んでいた美濃加茂市にも祀ってあるため、私が白川町へ墓参に訪れたのは数年ぶりです。
この家の母屋は改築して22年目だそうで、私の少年時代から残っている建物はこの白い壁の土蔵など一部です。この土蔵には、小学生の頃厳しい祖父にお仕置きで閉じ込められやさしい祖母に出してもらった記憶があります。