「激しい変化に明け暮れた2004年を平静の中で閉じる」 (2005.1.1 掲載)
2004年は災害など自然の異常現象が際立って多かったほか、社会においても特異な犯罪が多発するなど、過去に例を見ない不安な1年でした。それに比べれば私自身は平穏な1年でしたが、最近は自分の年齢を意識して生活するようになったことは事実です。 しかし幸いに葉書絵の制作意欲は衰えないので、今年の秋は紅葉を中心に描くよう努力しました。特に奈良の名所旧跡・秋の姫路城など静寂を感じ取れる場所を求めて移動し、鮮やかな紅葉に接する機会は少なかったものの、2004年を締めくくるにふさわしい作品ができたと喜んでいます
「龍門寺・縁結びの木」:(2004.11.14) お寺の山門付近にあるこの杉は、2本の大木があたかも枝でつながれているように見えることからこの名前がつけられ、町の天然記念木になっているそうです。 大木は恐らく樹齢百数十年と考えられ、古い枝が朽ちたり蔦が巻きついたりしていますが、よく見ると左から突き出している枝がこの木の由来になっていると思われ、男性のシンボルを連想させます。
「姫路場内庭園・紅葉僅かに残る」:(2004.12.6) 建造物を描くのに、落葉樹が生い茂っているときより枝だけになった時期のほうが適していると思うことがあります。この絵は枝だけになりすぎた光景ですが、落ちるのを惜しんで枝にすがりついた葉も、枝だけの殺風景になるのを防ぎ、遠方の城のモチーフを目立たせるには効果があるように思います。 城の周りはいずれこもほとんど落葉し、イチョウだけが黄色い葉を残していました。
・・