秋過ぎて暖冬・寒再来されど春近し(2007.3.10 掲載)

このページで葉書絵を紹介するのは昨年11月からちょうど4ヶ月ぶりです。この冬は全国的に過去経験したことのないほどの暖冬で、しばらく春の陽気さえ感じましたが、3月に入って再び冬将軍に見舞われました。2月までに描いた作品は20枚あまりで晩秋以降の風景の移り変わりと、時々購入している鉢植えの花などをモチーフにしました。水彩画も最近制作ペースが落ちているので、愚作ばかり4点を紹介します。

正眼寺表参道より」:(2006.11.19)

岐阜県美濃加茂市にあるこの古刹へは妻の生前からよく足を運んでいます。もちろん秋の景色もこのページで紹介していますが、何度描いても飽きないので少しアングルを変えて見ました。紅葉に囲まれた参道は田舎の家並を背景に静かなたたずまいを見せています。松並木の間にもみじの紅葉が濃く映し出されていました。

正眼寺山門の晩秋」:(2006.11.19)

この山門は以前本堂側から描いていますが、今回は参道側から見ました。境内の紅葉は華やかなのに門を通して見ると、このようにこじんまりしてむしろ杉の木立に押しつぶされそうです。山門もこれらの樹木群をバックにして控えめに建っている感じです。


紅葉の中の正眼寺鐘楼」:(2006.11.19)

正眼寺の境内で紅葉に包まれた鐘楼を描きました。ここでは紅葉が完全に主役で、左上から右下に波打つように広がっていました。実際の景色では燃えるような紅葉が秋を謳歌している感じでした。鐘楼は半分以上隠れていますが、紅葉の広がりの中にスポットとして存在しています。

デンファレ満開」:(2006.11.20)

この花は洋ランの一種でフルネームはデンドロビウム・ファレノプシスというそうです。花は小さく可憐ですが、このためあまり目立たないので少々物足りなさを感じます。花屋さんが毎週木曜日に鉢植えや切花をたくさん運んで来て近くのスーパーで安価に即売しますので、私はほとんど毎週出向いて切花を買いますが、最近は鉢植えも買ってあちこちの部屋に飾っています。

落葉樹の向こうに通信塔」:(2006.11.26)

毎週日曜日迫間不動に参拝するついでに散歩するふどうの森で見かける光景です。晩秋の山は樹木の葉っぱが落ちて寂しい風情になり、遠方には通信塔が威厳を示すかのように立っています。この通信塔の近くに明王山展望台があり、そこからは天候がよければ濃尾平野を一望できます。最近は南方に名古屋駅前の高層ビル群がスマートなシルエットを見せています。

紅葉有終の美」:(2006.11.26)

ふどうの森の一光景です。ウルシの葉が競うように紅葉していました。本当に美しく目を楽しませてくれます。このあたりはあちこちで同じような光景を目にし、晩秋のひと時で周囲には静寂あるのみです。ウルシは一枚の葉の表面で薄緑から真紅に続くグラデーションが素敵です。

枯松と通信塔」:(2006.11.26)

この通信塔は民放の発信アンテナらしいですが、赤白に塗装してあるので山上では珍しい光景です。手前の松は通信塔方向に長い枝を伸ばしているようですが、枯れているので通信塔を一望する上で邪魔になりません。このように面白い光景に引かれて描きましたが、私のお気に入りの1枚です。

ユーフォルビアドルチェローサ:(2006.12.11)

長い名前のこの花はポインセチアとよく似ています。中央に小さい花が密集し、周囲を苞葉が取り巻いています。ポインセチアに比べて苞葉の色が紫色で淡く数も少ないので、ポインセチアほど温かみが感じられません。この鉢植えをしばらく居間のテーブルに置いていましたが、華やかさはいまいちでした。

藁にくるまって新年を待つ」:(2006.12.31)

自宅庭のこの松は植樹後30年近くになりますが、時々松毛虫に襲われるものの順調に成長し高さも数mになっています。毎年剪定に来てくれる人が偶然ボランティアグループの仲間で、その人が松への虫除け方法を勧めて稲わらをくれました。初めての経験であり菰と違って巻きつけが難しいと心配でしたが、30分足らずでうまくできました。早速描いたのがこの絵です。これで平成18年の締めくくりができた気持ちです。

冬の聖橋」:(2007.1.19)

再び東京に出張する機会ができてきました。この日は渋谷の会社で会議の後御茶ノ水から秋葉原電気店街をぶらぶらし、途中久しぶりでこの絵を描きました。午後のひと時でしたが、向かって右側の御茶ノ水駅に停車中の中央快速の橙色の電車や、今回省略しましたが橋下の青い鉄橋を地下鉄丸の内線の電車が通過する光景は昔からまったく変わっていません。ただ秋葉原の駅周辺の著しい変化には目を見張りました。

立春のサイネリア」:(2007.2.4)

木曜日に出店する花屋さんで安く手に入れました。この名前が買った当初はわからず、1週間後に写真を撮って店の女性に見せて知った次第です。菊の一種のようですが花の寿命が長く1ヶ月以上たった現在もまだ咲き続けています。花が多く葉も大きくて元気の象徴という感じですが、台所のテーブルに置いて毎日眺めているので少々飽きて来ました。

伏見稲荷大社楼門」:(2007.2.11)

伏見稲荷大社の近くに住んでいる90歳近くになった叔母を、私の妹とともに10数年ぶりに訪問しました。叔母や従姉妹としばらく話し込んだ後お稲荷さんにお参りして描きました。この絵では薄めですが楼門の朱色は鮮やかに目立ち、今年の暖冬のせいか参拝客も多く賑わいを見せていました。最近はこのように賑わっている神社などにお参りしていないので、お参りしてご利益のおすそ分けをいただいた感じでした。

建国記念日の伏見稲荷大社」:(2007.2.11)

伏見稲荷にお参りしたのが建国記念日で、人出が多かったのはこの日をはさんで3連休となったためと思われます。大鳥居の前後は狭い駐車場に多くのマイカーがひしめくように込み合って、数人の若い整理員が手際よく誘導していました。この大鳥居の存在には、以前の参拝ではほとんど関心が無かったのに、今回は塗装が鮮やかなことに注目して1枚描きました。

お披露目・ピンクネコヤナギ」:(2007.2.16)

私の古里では小川の岸辺にたくさんのネコヤナギが自生しており、老齢になった現在でもネコヤナギへの愛着を持っていて自宅にも植えたいと日ごろ思っていました。時々立ち寄る園芸店でこの花に魅せられ、ちょっと高価でしたが買って庭に植えました。買った直後はまだピンクが産毛に覆われていましたが、半月足らずでこのように鮮やかになりました。名前より朱が強い感じですが、現在ではその赤みも消えて淡い緑に変わっています。

六本木マンション群とテレビ朝日本社」:(2007.2.16)

仕事で上京したついでに日ごろ活用しているパソコンソフトの通販会社に立ち寄りました。この会社は六本木ヒルズの15階にあり、そこで3040分話し込んだ後ビルに隣接した毛利庭園に下りてこの絵を描きました。この一帯は六本木ヒルズのほか高層のマンションが立ち並び、新しい都市形態をなしていますが絵を描くにはあまりなじまないようです。


     水 彩 画 (4号)
紅 葉」:(2006.11)

水彩画教室に入会して半年以上が過ぎ、最近では季節に合わせたモチーフにも取り組んでいます。ここではウルシ・桜とイチョウの葉を並べてみましたが、まだまだ絵の具の「たらし込み」が未熟で小学生の写生のような出来栄えです。ただし写生をすることでいろいろな植物の紅葉の違いを観察でき、新しい知識を得た気分になります。
にんじんとピーマン」:(2006.12)

この絵は自習で描いたものですが、先の「紅葉」より多少満足できる作品になりました。ピーマンは平凡ですが、にんじんの表面の色合いと微妙なしわはリアルに描けました。葉書絵の長い間の手法がこびりついている私には、「たらし込み」や白の細い隈を残すことが大変難儀です。

マツボックリ」:(2007.1)

この絵は先生の指導を得ながら描いたもので、先生の着色方法を真似たつもりです。マツボックリは形状が複雑であるため緻密な観察が必要ですが、長時間見ていると神経が磨り減って友人の誰もが大変苦労をしていました。結局出来上がったこの作品でマツボックリを連想することは難しいかもしれません。

干し柿」:(2007.2)

昨年暮れに親戚から贈ってもらった干し柿の大き目のものを描きました。表面の白い粉が少ないほど描き易いはずですが、長期間保管している間に全体が粉に覆われてしまい色の配分に大変苦労しました。干し柿の絵は先生も描かれたことが無いようで、自分だけが新しいモチーフに挑戦したという自己満足を感じた次第です。