「2007年 春のうちそと(2007.5.10 掲載)

今年の冬は2月一杯が暖かく、3月の春を迎えてから寒さがぶり返した感じでした。私の葉書絵制作でも数こそ少ないものの、季節の変化に応じて自宅では花を中心に取り組み、外出も比較的多かったので行った先々での風景をモチーフにして描きました。花はチューリップと椿に特化したのも今回の特徴です。風景画では4月に日帰り旅行で出向いた清水で描いたものが中心です。今回はこれらを「春のうち(自宅)そと(外の風景)」と名づけてまとめました。

二代目福寿草」:(2007.2.27)

福寿草は冬の寒さに耐えて一番早く咲く花の一つです。自宅の庭では昨年まで20数年にわたって花を見せ、私も毎年花の数が増えるのを楽しんできました。しかしこれが昨年枯れてしまいましたので、今年は新たに鉢植えを買いました。以前の福寿草ほどに成長するのは相当先ですが、今後株が増えるのを楽しみにしています。とりあえず「二代目福寿草」と名づけて描きました。

良治がくれたお供えチューリップ」:(2007.3.7)

二男が妻の霊前に供えるために買ってきてくれました。10本もありましたので神前と墓前に分けて飾りました。枯れないうちに描いたのがこの絵です。花びらは赤から黄色へのグラデーションと先端がレース状になっているのが特徴で、これをうまく表すのは容易でなかったです。この絵のほか水彩画でも描いておきました。

戸栗美術館休館日」:(2007.3.16)

仕事で渋谷に出かけ、ついでに描いてきました。ここは渋谷交差点から徒歩10数分にあり、以前描いたのを思い出して足を運びました。偶然休館日で人の出入りは見られず、落葉した垣根越しにこぶしの白い花が咲いて静かなたたずまいを見せていました。

薮つばき華麗」:(2007.3.27)

水彩画教室のモチーフで椿を使うことになり、よく出かけるお不動さんの裏山で薮椿を採って来ました。椿の葉書絵は以前にも描いているので、今回は水彩画教室で身に着けた「垂らしこみ」を応用してみましたが結局以前のものと差はなかったようです。しかし花の紅色と葉の濃緑のコンビネーションはお気に入りで、満開・中間・つぼみと三段階の状態がうまく仕上がったと思っています。

荒地で見つけた淡いつばき」:(2007.3.27)

近郊の荒地に植えられている椿を上に描いた花と同時期に採取したものです。このような淡い花以外に斑点があったり真っ赤なものなどが1本の木に咲き乱れているのは不思議なくらいです。花の形状やおしべの大きさなど、同じ椿でも種々あることを初めて知りました。作品としてはこの花は彩色が単調のため鮮明に表すことが難しく、結局この程度の表現になってしまいました。

藤(岩倉さくら祭りにて)」:(2007.4.1)

五条川沿いを散歩中に地元ボランティアによるさくら祭り活動での花の販売を見かけました。グループの名前は「花を守る会」だったかと思いますが、このグループのメンバーの1人が私と同じ「イキイキライフの会」で親しくしている人であることがわかって買いました。値段も非常に安く以前からほしいと思っていたもので大変気に入っています。早速描きあげたのがこの作品です。描いた時はつぼみだけでしたが、現物は5月中旬の今では葉ばかりです。

清水市・すんぷ夢ひろばにて」:(2007.4.21)

ボランティアグループ「イキイキライフの会」の日帰り旅行で清水方面に行きました。ここは家康を祀った久能山東照宮の近くに昨年秋作られた公園で、家康の生涯について紹介した「徳川家康ミュージアム」のほか、江戸時代の街並みの紹介をしていますので、家康の生涯や当時の風情に少しばかり触れることができました。この絵は公園の入口付近で描いたもので、天候の良い土曜日で多くの人々が来ていました。

清水港を望む:(2007.4.21)

この絵は清水港ミニクルーズの船上からのスケッチです。清水港は工業製品などの輸出入が多く、ここで描いたものは港の北部にある新興津コンテナターミナルの遠望です。小さくて判別できませんが数基の巨大クレーンの下に赤いコンテナが積み上げられている様子です。この日は空も晴れ上がり船から見える港の景色に癒されました。

清水港・倉庫とヨット群」:(2007.4.21)

この絵はエスパレス・ドリームプラザに隣接するヨットハーバーです。多くのヨットが巨大な倉庫をバックにして、帆を降ろしてまどろんでいるという状況です。清水港は横浜港・長崎港と並んで日本の三大美港と言われているそうですが、ここは港の中心に三保半島を擁してバランスよく整えられているためではないかと思います。ただ港から見えるはずの富士山が雲で覆われて見えなかったのは残念!

イタドリの若い茎」:(2007.4.30)

よくお参りするお不動さんの参道付近で採って描きました。描く前に皮をはいだ茎を口に入れた時、子供のころ古里で食べた思い出がよみがえって来ました。当時はお菓子や果物などが少ない時代でイタドリはちょっとしたおやつ代わりでしたが、久しぶりに口にした感触はお世辞にもおいしい味とは程遠かったです。イタドリを描いたのは10年以上の葉書絵制作では初めてですが、もっと観察して描けば面白い作品になったかも。

名古屋市役所」:(2007.4.30)

ゴールデンウイーク中の半日を割いて名古屋市内の一角を散歩し、ついでに描いた1枚です。名古屋市役所と愛知県庁は近接しいずれも屋根の形状が古風で、葉書絵には格好のモチーフです。建物は木々に囲まれ離れた位置からは低層が隠れています。この日は車が少なく天気が良いため多くの家族や若いカップルなどが行き来していました。

二葉館」:(2007.4.30)

二葉館は、明治時代に芸者・女優として名を馳せた川上貞奴が電力王と呼ばれた福沢桃介と暮らした建物で、名古屋市内の撞木町にあります。このあたり一帯は「文化のみち」と銘打って名古屋市の歴史的な文化遺産に指定されています。この建物の形状と屋根の色合いがユニークですが内部も和洋折衷で見ごたえがあり、これだけの資産が戦禍を免れたことに驚きます。

名古屋市博物館にて」:(2007.5.4)

現在開催中の「名古屋城障壁画」を鑑賞するため出向き、ついでに博物館前庭で描きました。滝の規模は小さいですが、近寄ってじっくり眺めるとちょっとしたオアシスを感じます。また展示中の障壁画は徳川時代に名古屋城本丸御殿に飾られた狩野探幽などの作品で、御殿自体は太平洋戦争の空襲で焼失したものの障壁画は疎開させて戦禍を免れた非常に貴重な遺産です。


     水 彩 画 (4号)
あじ干物」:(2007.2)

水彩画教室で先生の手ほどきを受けながら仕上げたものです。着色は思うようにならず先生の作品とは比較になりませんが、こうしてみるとそこそこ絵になっているように思います。昨年春に習い始めて間もなく1年、作品数は10数枚になりましたが、まだ葉書絵タッチから脱却できません。

つばき」:(2007.4)

上に紹介した葉書絵の水彩画版です。これも教室で先生の作品を参考にして描きました。ただ赤い椿の色を、最初は先生から勧められた色が無かったので異なる色で仕上げ、あらたに絵の具を買って塗りなおしました。結局最初の色も残って鮮明になり、情熱的?な花になりました。

チューリップ」:(2007.5)

椿の次に描きました。こちらはモチーフが非常に淡い色であったものを、濃い紅にしてみました。葉が不鮮明など上の2枚に比べて出来栄えはいまいちですが、今後の向上の糧にするには良いのかも。チューリップは二男がくれたものを水彩画でもう1枚描いていますが、こちらは自己流であるためご紹介は控えました。