気象の歴史を塗り替えた猛暑・2007年夏に描く(2007.8.20 掲載)

前回ページを更新してから3ヶ月以上が経過しました。その後新しい仕事やボランティア活動などに時間を費やしたため葉書絵制作のペースが落ち、やっとご紹介できることになりました。
また今年の夏は全国的に過去例を見ない猛暑に襲われ、いたる所で最高温度が連日35度を超え寝苦しい夜も続いています。816日には、多治見市と熊谷市で40.9度と74年ぶりの記録更新だったとか。この日私は自宅で日中クーラーも使わずにこのページの編集作業をしましたが、屋内の温度はおそらく40度近くだったと思います。今回ご紹介する作品は夏を象徴するものを中心とし、仕事やお盆の里帰りで見かけたものを描きました。水彩画では5月以降の作品が少なく、今回紹介できるのは2点のみです。

丸亀のある風景」:(2007.6.28)

仕事で久しぶりに四国に出張。この日は宿泊した丸亀市内のホテル近くで見かけた朝の光景を描きました。海岸べりの松並木の向こうに朝日を浴びた丸亀港に浮かぶ小島を見渡しました。入江の水面は穏やかで静かなたたずまいを示しています。瀬戸大橋はこの絵の左前方にあり出来ればこれも描きたかったですが霞んではっきり見えませんでした。
古里からの贈り物・ほうばずし」:(2007.6.28)

岐阜県白川町の私の実家から突然「ほうばずし」が送られてきました。食べる前に描いたのがこの絵です。葉を留めてある爪楊枝を抜いて開くとすし米の上に乗せてあるシャケの切り身、シイタケの煮付け、紅しょうがなどが目に入ります。一口食べるとほうの風味が舌に染み渡り、涼しささえも感じさせてくれます。春から夏の風物詩とも言えるこの料理を亡くなった妻が大変好んでいました。ほうばずしを食べながら生前の妻を偲びました

シマサンゴアナナス」:(2007.7.28)

近くのスーパーで購入しました。この植物は長い間見ていますが花を見たのは初めてで、名前がわからず別の花屋さんで教えてもらいました。先端の青やピンクの可愛いのが花で、その下のとげとげの葉に見えるものはおそらく苞であろうと思います。花の部分と葉との取り合わせも一般の鉢植え植物と異なり、見ていて癒される気持ちにはなりませんでした。

納涼まつりにて」:(2007.7.28)

私が所属している地元ボランティアグループの10数名で養護老人ホームの恒例の納涼まつりに参加し、みたらし団子とかき氷を作って販売しました。納涼まつりには近隣の住民や婦人団体などが多く参加し、団子5個をさした串約2500本が1時間半ほどでほとんど売り切れました。熱さを避けるため軍手をはめ、これが時間とともにタレでべたべたになるなど面倒なこともありますが、結構楽しめました。

ユリの蕾にセミのぬけがら」:(2007.8.4)

自宅車庫の前に40cmほどの高砂ゆりが生えてつぼみを膨らませており、茎にセミの抜けがらが付いていました。セミの脱皮は大抵庭木の小枝で多く見かけますが、このような小さな花木では珍しいです。よほど脱皮を急ぎ高くまで上る時間がなかったため?今年は暑さのせいもあって自宅の庭ではアブラゼミの鳴き声が1日中聞こえています。

五条川の新オアシス」:(2007.8.5)

岩倉市内を流れる五条川の下流に近い川べりで、竹やぶを残した護岸工事が行われています。仮称「竹林公園」と言われ今年度中に完成とのことです。五条川の護岸は市内においては殆どコンクリートになっていますが、ここでは植物が自生できる構造とし、川には水生生物が住みやすくするためによどみを造るなど計画されているようです。家族連れがこの橋を渡ったり水面を覗き込む日も近いことでしょう。

ひまわりの生涯」:(2007.8.7)

ひまわりは夏を代表する花ですが、私の記憶では過去に描いたものは12点のみです。今回は1本の茎に付いた多くの花のうち既に咲き終わったものと満開の花にスポットを当ててみました。蕾が入っていないので「生涯」のタイトルは大げさかも。ひまわりの種類は最近非常に多くなっているので、特徴をつかんで表現すればもっと楽しい絵になると思います。

自然生態園ワークハウス:(2007.8.7)

岩倉市の自然生態園内にあり、子供たちが自然環境や昆虫などについて学んだり遊ぶことが出来る建物です。夏休みや週末にはこの中で多くの子供を見かけますが、この日は静かでタモをかついだ子供が1人広場を走り回っていました。隣接する池では数人の子供がウインナー・ソーセージを餌にしてザリガニつりに興じていました。

ルーセントタワー」:(2007.8.8)

名古屋駅の北側に今年1月に完成した、地上40階、高さ180mのオフィスビルです。「ルーセント」とは英語で「光る・輝く」という意味だそうです。この絵は名古屋駅新幹線ホームから見て描いたものです。東側窓面の湾曲したフォルムは高層ビルにありがちな外観の堅苦しさを感じさせず、ホームで列車を待つ間の落ち着いた気分に導いてくれます。名古屋駅周辺にはツインタワー、ミッドランドスクエアなど既に完成しているビルに加え他にも高層ビルが建築中のため、葉書絵の制作が楽しみです。

新幹線700系の顔」:(2007.8.8)

神奈川への出張で利用した「のぞみ」の先頭車両を描きました。真正面からの絵であるため特徴を現すことができなかったですが、横から見ると相当長い「鼻」が目立ちます。700系は1999年にデビューしたもので1両当たり23000万円、1編成(16両)で364000万円だそうです。現在はニュータイプのN700系も走っています。

ホオズキ戯れる」:(2007.8.10)

お盆のお供え用に買ったホオズキの茎が長かったので、これを切ったために多くのホオズキが不要になりました。いくつかを残して描いたのがこの絵です。茎についている実は袋を被ったままで枝の一部程度にしか見ませんが、このように茎から取り外して袋を破ると可愛い実が現れ微笑ましさを感じさせます。子供の頃この実から種だけを抜いて口に含みキュッキュッと鳴らして遊んだものです。

休眠中・イノシシのワナ」:(2007.8.14)

古里の山に設置された狩猟用のワナです。1辺約3m高さ約2mの鉄わくにネットが張られその中に餌を置いて、1辺の中央部に扉が付いていて動物が中に入ると扉が落下する仕組みだとか。最近はクマやイノシシが年中出没し、田んぼの稲を荒らしたりトウモロコシや野菜などをついばんでしまう、農家を悩ませる大きな問題になっています。町では11月中旬以降の3ヶ月間狩猟が解禁されますが、夏場でも被害が多いときは解禁され今年は715日から1ヶ月間で子イノシシ14頭を捕獲したそうです。私の叔父が狩猟免許を持っており、この地区ではベテランだそうです。

収穫直後のトウモロコシ」:(2007.8.14)

古里へ墓参に行き実家で頂いたトウモロコシを描きました。トウモロコシは畑で茎と共に描いたことがあるものの実だけを描いたのは初めてですが、面白いモチーフになりました。房の先端から出ている多くの「茶髪」が、実はそれぞれが豆の一つずつから出ていることが不思議なほどです。子供の頃には夏から秋のおやつの一つでよく焼いて食べたものです。現在のトウモロコシは当時のものより甘くておいしいです。

「曲った奴ら」:(2007.8.14)

これも実家で貰ったものです。描いたものはなぜかどれも一様に曲ってしまっていますが、なす・きゅうりともそれぞれ表情に満ちており、却って絵になるのでありがたく頂戴しタイトルもこのようにしました。いずれも採りたての新鮮野菜で味については申し分ありません。たくさん頂いたので「水彩画の会」の仲間におすそ分けしました。曲った野菜にはどのように感じられたのでしょうか。
「白山神社の女夫杉」:(2007.8.14)

古里の岐阜県白川町にある白山神社は先祖代々の氏神として歴史を刻んでいます。この神社から少し下ったところに白川町指定天然記念物の女夫杉があります。樹齢2300年だと思われますが樹木の途中で両木の枝が抱き合うように密着しています。しかも幹の表皮が左右の樹木でまったく異なり、左側は滑らかで細かく右側が荒々しい表皮でまさに男女の肌を象徴しています。夫婦杉はいたる所で見られますが、このように肌の状態までが明確なものは珍しいです。
「ピーマンと赤いオクラ」:(2007.8.15)

実家で頂いた野菜の一部を描きました。赤いオクラは珍しく、緑のピーマンと良い取り合わせです。実家はこれら以外にもカボチャ、トマト、たまねぎなど多くの種類の野菜などを多量に収穫しており、里帰りでは必ずいただきますが自宅で一人身生活をする私には新鮮なうちに処理することが課題です。知人におすそ分けするか葉書絵を描いた後副食にするのが日課になっています。

     水 彩 画 (4号)
自然生態園」:(2007.6)

自然生態園は昨年秋依頼半年ぶりに描きました。今回作品は前回からの成長の後が見られないので、書き直すかどうか迷った作品です。しかし筆のタッチでは少し変化が感じられ、小枝の表現は少しましになったと思いますが、葉の描き方に繊細さが欠けているのがまだ課題です。私は静物に比べて風景画が苦手ですが、先生の画法が少しずつわかり始めたので実行することに心がけたいです。

プラムソルダム」:(2007.8)

8月の水彩画教室は仕事で欠席したため、先生の作品をお借りして参考にしながら描きました。先生の説明がわからないので色の選択が不適切で赤味が多すぎるようですが、残した白い境界線はそこそこ繊細さを表すことが出来たと思います。この画法が定着すれば少しずつ満足できる作品に近づけるかも。この作品を写真にした暑中見舞いを親しい友人に送りました。