3 「氷河ハイウエイに沿って」(1998.8.30掲載)

バンフから西北方向約300kmに位置するジャスパーまでの高速道路(1号線)は氷河ハイウエイともいわれています。私たちが初めて近づいたカナディアン・ロッキーは3000mを超える数多くの峰々と、山々の間や頂上に横たわる氷河とそこから流れ落ちる滝や大小の湖で構成され、とくに深い緑の水を満々と湛えた湖は正面にそびえる山の頂きと良く調和して、この世のものとは思えないほど美しい光景で、本当に命が洗われる思いで眺めました。

「エメラルド・レイク(1998.8.10)

1882年に発見された湖で、名前が示すようにこの湖は深い緑の水が満々と湛えられています。尤も個別の名前が付けられている他の湖でも同じ色をしていますが、エメラルド・レイクの場合は発見者が適当な名前が見つからなかったため、湖の美しさをそのまま名前にしたとのことです。この色は氷河に削り取られた微細な土粒が水中に漂って、太陽光線の緑色部分を反射しているためこのようにみえるのだそうです。
「タカカウ滝」(1998.8.10)

氷河ハイウエイから15kmほど奥に入ったところにある落差384mの滝で、水量も非常に多いので迫力があります。「タカカウ」とはネイティブ・インデアンの言葉で「素晴らしいんだ !」という意味だそうです。この絵は滝に相当近づいて描いたもので、水滴をかぶりながらの作品ですが何とか迫力を氷表現することができました。
「モーレン・レイク」(1998.8.10)

氷河ハイウエイから数km入ったところにあり、ロッキー山脈の宝石とも称えられているほどの非常に美しい湖です。カナダの20ドル紙幣の裏に描かれているほか、カナダ旅行のガイドブックの表紙などにも登場しています。私がこの絵を描いた時は逆行のため、正面の山々の起伏がはっきりしなかったのが残念です。
「レイク・ルイーズ」(1998.8.11)

この湖はカナディアン・ロッキーのハイライトでまさに神秘的な光景を示しています。湖の正面は標高3464mのビクトリア山で、頂上には宝石を散りばめたような氷河が青みがかった光をはなっています。なぜかこの湖だけが名前を後ろにして呼ばれていますが、ルイーズとはイギリスのエリザベス一世の第四王女で当時のカナダ総督の妻であった女性の名前だそうです。湖に面して優雅で豪華な雰囲気が漂ったシャトー・レイク・ルイーズがあります。またこの絵を描いている間近くで奏でられるホルンの美しい音色が聞こえてきました。
「ボ ウ・レイク」(1998.8.11)

今回のカナディアン・ロッキー観光を通して描いた湖の絵は4枚ですが、個々の湖は上に記したようにそれぞれの特徴と美しさを放っています。このボウ・レイクでは正面の美しい滝が印象的でした。また手前にピンクの花が咲き競った大きな花畑があり、近くで私がビデオ撮影をしていた時外国の観光客から互いのビデオで撮りあうよう声をかけられて、短時間ながら貴重な記録?を残すこととなりました。
「コロンビア大氷原」(1998.8.11)

コロンビア大氷原は面積325km2にわたって広がるカナダ最大の氷原で、北米大陸の分水嶺に位置しているため氷原から3方向に多数の氷河が流れ出しています。この絵で手前に描かれている氷河は「アサバカス氷河」で3番目に大きいものだそうです。「アサバカス氷河」では雪上車で移動し、氷河でおりて15分ほど散歩しましたが、妻が正真正銘のミネラルウオーターをプラスチック・ボトルに採取し、暫くの間二人で超自然の味を楽しみました。なおこの絵は大氷原手前の待合所から描いたものです。