「年末年始の記録」(1999.2.1掲載)

昨年暮れから元日にかけてと1月15日から3日間を東京で過ごしましたので、その間に制作した葉書絵を何枚かご紹介します。今回は暮れに描いた年末風景を加えたほか、川崎大師への初詣でのスケッチと、特に一昨年暮に開通した「東京湾アクアライン」を初めて路線バスで通り、海底トンネルと橋をつなぐ部分にある「海ほたる」に立ち寄りましたのでここでの印象なども記録にとどめました。
なお1月の作品は40点を超えましたが、ここにあげた以外のものについては次回のページで紹介します。

「岐阜伊深・正眼寺」:(1998.12.27)

このお寺は岐阜県美濃加茂市にあり、1330年の創建になる臨済宗の修行道場だそうです。かってプロ野球巨人軍の名監督であった川上さんがこのお寺に長期間こもって座禅をされたのがエピソードとして残っています。濃尾平野の一隅の深い森に囲まれた落ち着いたたたずまいですが、私が訪れた時は若いお坊さんが門松の飾り付けなど新年を迎える準備の真っ最中でした。
「暮れの玩具売場にて」:(1998.12.27)

1ヶ月程前に開店した大型スーパーでの光景です。正月を目前に、早いお年玉を手にした子供たちが家族とおもちゃ選びをしています。ここでは年の瀬の慌ただしさは感じられず、のんびりした雰囲気が漂う中に子供の真剣な表情だけが印象的でした。
「犬山成田山」:(1999.1.3)

私は今年年男であるためここへ初詣をかねて久しぶりに訪れました。さすがに参詣の人が多く、破魔矢のお守りを買ったりおみくじを引いたりで祭壇を離れた所までごった返していました。この日は天気が良く、かなり遠方の名古屋市内にあるJR東海の建設中ビル「タワーズ」もよく見えました。
「犬山・桃太郎神社」:(1999.1.3)

犬山市北端の木曽川に面して位置するこのお宮は、童話をもとに造られたもので子供の守り神としてこの地方ではよく参拝されています。境内には家来の犬・猿・キジを交えた種々の置物が配置されており、この絵中央の馬蹄形の門は桃をあしらっておりますが、後方の本殿の古風?な建物とはちょっと不釣り合いなのが一興です。
「雪の五条川」:(1999.1.9)

この冬初めての雪らしい雪が降りました。五条川両岸はすっかり雪に覆われ、日ごろ見ている風景とは異なった趣きが感じられます。あと3ヶ月もすると川岸の桜が花で覆われる、その時が待ち遠しいこの頃です。
「目黒区・大円寺五百羅漢」:(1999.1.11)

JR山手線目黒駅から徒歩数分にあるこのお寺は1620年代・寛永の初めごろに創建されたものの、江戸時代に江戸大火の火元となって全焼し幕末のころに再建されたとのことです。境内には火災の犠牲者供養のために建立されたと伝わる五百羅漢が並んでおります。この絵ではひときわ目立つ座像を中心に描いたものですが、背後のたくさんのお地蔵さんもよく見るとそれぞれ個性が感じられます。
「川崎大師」:(1999.1.15)

このお宮さんは弘法大師が祭られており、私は十数年前のこの成人の日にお参りしましたが、毎年この日は若い参詣客を中心に賑わうようです。9時頃お参りをした時には少なかったものの、10時半頃帰る時にはごった返すほどの人出になりました。
「とんとこ飴を作る男達」:(1999.1.15)

川崎大師の参道は古くから飴やだるまなどを売る店が多く並んでいます。この飴を切るときの「トントコ・トントコ」という包丁の音はかなり遠くからも聞こえ、この光景は十数年前とまったく変わっていません。この音から名づけられた「とんとこ飴」は川崎大師のもっともポピュラーなおみやげで、軟らかな甘みが何ともいえません。
「海ほたるにて」:(1999.1.15)

川崎市と千葉県木更津市の間を海底トンネルと橋で結んだ全長約15.1kmの「東京アクアライン」が一昨年暮完成し、海底トンネルと橋がつながる部分に「海ホタル」と名づけられた人工島があります。この絵は島の中央部を描いたものです。3連休の初日でしたが人出はまあまあという感じでした。天候が良ければ東京湾や羽田空港なども一望でき、一度は訪れる価値があると思います。
「カッターフェイス」:(1999.1.15)

川崎の「浮島」から「海ほたる」まで約 9.4kmの海底トンネル掘削に使用したシールドマシンのカッター部分が、「海ほたる」にオブジエとしてこのように設置してあります。カッターの直径は約14mで工事には8基のカッターが使用され全長掘削に約2年を要したとのことです。この絵でカッターの両側に見えるのは保温ネットで覆われたフェニックスです。
「海ほたるより木更津を望」:(1999.1.15)

「海ほたる」から木更津市へは橋でつながり、千葉圏内の高速道路に接続されています。この絵の正面部分は海底トンネルからの道路が入って来たランプウエイとなっています。千葉・神奈川両県相互の移動はこのルートが出来る前は東京経由で数時間を要していましたが、現在では木更津から川崎までバスで1.5時間程度(運賃も1500円と割安)ですので、両県の交流が盛んになるものと思います。
「木更津・中の島大橋」:(1999.1.15)

木更津港の地先にある中の島公園にいたる美しい橋で、この市のシンボル的存在とのことです。船の運航に支障がないよう橋はかなり高い位置に架けられています。手前には大小の漁船が停泊し、すでに夕方になっていたため帰港した漁師夫婦が船の掃除をしていました。