「やっと春が来た・初めての個展」(1999.5.1掲載)

もう5月のページをお届けすることになりました。しかし葉書絵は1月の終わりから3月にかけて描いたものをかなり残しているのと、2月末から3月初めに個展を開催して多くの方から頂いたお祝いの花を描きましたので、その一部をご紹介することにしました。そのような訳で、今回はかなりバラエティーに富んだ作品集になりましたのでお楽しみ下さい。

「伊勢神宮(外宮)」:(1999.1.31)

1月の終わり、会社の保養所に空室があるのを利用して1泊2日の行程で賢島まで足を伸ばしました。伊勢神宮と言えば内宮の方が有名ですが、ここへは昨年秋にも来ているので、今回のお参りは外宮で代表させてもらいました。内宮のような厳かな雰囲気はなく境内も狭いですが、さすが伊勢神宮群?の代表的な社殿で前に立つときりっとした気持ちになります。参拝客は寒い時期にも拘わらず結構多かったように思います。
「湯島聖堂・杏壇門」:(1999.2.8)

湯島聖堂は幕府の学問所で、元禄4年 (1691年) に5代将軍綱吉が上野からここに移築したものだそうです。ここは総武線御茶ノ水駅のすぐ北側で、病院の大きなビル群の一角に森に囲まれています。この門は荘厳な感じで大きく、門前の石段からは本殿(孔子廟)が少ししか見通せないためか、門自体が湯島聖堂の中心であるかのように錯覚します。この絵を描いたときはまだ木々も冬眠?から覚めていませんが、5月の今頃は境内も新緑で満たされ、明るい雰囲気が漂っていることと思います。
「明治村・神戸大井牛肉店にて」:(1999.2.11)

職場の日帰り旅行で犬山市にある明治村を訪ね、昼食の様子を描いたものです。この店は明治20年頃に神戸市内で創業された牛肉店を、昭和43年9月に移築して営業しているものです。明治村の開村以来長い間禁止されていたお酒の販売が平成6年から解除されたので、この店もおいしい牛肉とお酒目当ての客で繁盛しているようです。よほど気に入ってしまったのか、私たちの仲間にはここに居座ってしまって明治村見物を全くしなかった者もいました。
「明治村・宇治山田郵便局」:(1999.2.11)

明治42年5月に創立、明治村へは昭和44年4月に移設され、重要文化財に指定が予定されている建物です。明治時代の郵便局としては相当規模が大きいもので、薄い緑を基調とした壁の色彩も当時としては珍しい近代的なセンスをにおわせています。またこの建物の中では現在も郵便業務が続けられています。
「笹島交差点より」:(1999.2.20)

建設工事が殆ど終了した「JRセントラルタワーズ」を南東方向の笹島交差点から見たものです。この建物は右(北側)が51階のオフィス棟で約245m、左(南側)が53階のホテル棟で約226mあり、名古屋市内のみならずかなり遠方からもよく見え、中京地区の新しいシンボルとなるのは間違いなさそうです。このビルの完成は本年12月の予定です。私も今後いろいろなアングルからこの建物を描くつもりです。
「未だ「春一番」」:(1999.2.23)

2月下旬に入って少し暖かくなりましたが、例年はとっくに吹いている「春一番」が遅れています。この絵は私の家の近くにある五条川の土手で描いたもので、ネコヤナギと水仙は別の場所にあったものを合成しました。それにしても植物の生理と言うか、気温が緩んでくると自然に芽が出たり花が咲いたりする、この現象に感心しながら描きました。
「個展のお祝い(親友より)」:(1999.2.28)

去る2月28日から1週間名古屋市内で個展を開催した際に頂いた7組の花の1組で、高校時代からの親友3人にもらった胡蝶蘭です。相当高価と思われます。私を含む4人は長い付合いをしていますが、私だけがめったに参加していないという引け目を感じつつ案内状を出したところ、NHK名古屋放送局アナウンサーの高野氏、岐阜県上麻生町で歯科医をしている福井氏、岐阜県土岐市で日本茶を製造販売している松浦氏の全員が駆けつけてくれました。久しぶりに会って旧交を温め近日中の再会を約束したものです。
「個展のお祝い(サロンドモナムールより)」:(1999.2.28)

個展会場になっている毎日ビルの9階にあるスナック(クラブの方がふさわしい?)から頂いたものです。ママは私の高校の先輩でとても気さくな方ですが、最近この店には足が遠のいており、それでも2ヶ月に一度くらい行っていますか。ところで私の個展開催を全面的に援助して下さった方は中村さんといって人材派遣会社の社長さん。個展のオープン前にごちそうして頂いたので、そのあと中村さんをこの「サロン・ド・モナムール」にお誘いし、ママを交えて歓談しました。
「個展のお祝い(千花さんより)」:(1999.3.2)

「千花」さんは東京新宿のスナックで、10数年来の付合いの店です。2月初めのある日立ち寄ったついでに案内状をお渡ししたところ、来てはもらえなかったもののこのような立派な花を頂戴してしまいました。特に「カサブランカ(ゆり)」は豪華でしたのでこの花だけ別に1枚描いてあります。
「散歩する母子」:(1999.3.3)

東京日比谷公園での午後の光景です。私が何を描こうかと立ち止まって考えていたその前を、手をつないだ母子が通りかかったので慌ててスケッチしたものです。子供は3歳くらいと思われますが、歩行中体のバランスを取るため?に左腕をつんと伸ばしていたのが印象的でした。
「渋谷駅前午前10時・うずくまる男」:(1999.3.8)

渋谷駅前でカモを探していたところ眼に留まったのがこの男です。地下道(トイレではない)出口にしゃがみこんで雑誌風のものを握り、うつろな目を周囲に投げかけていました。顔はひげだらけで絵の題材にはぴったりです。正面からじっと凝視する訳には行きませんので、体を直角にずらし時々一瞥して描きました。なおこの絵は今年の「彩水会展」に出品しています。
「銀座・歌舞伎座」:(1999.3.15)

東京名所の一つとして以前から描きたいと思っていた題材です。複雑に構成された屋根は道後温泉の「坊ちゃん風呂」本館屋根によく似ており、両者に共通めいた何かを感じさせます。午前であったため、歌舞伎座の前には多くのご婦人達が待ち合わせたり思い思いに立ち止まって開場を待っていました。私はまだ入ったことが無いのですが、この建物の奥行きは長く相当大きな劇場のようです。
「陽春のセントラルパーク」:(1999.3.24)

名古屋の栄にあるセントラルパークも次第に春色を帯びてきました。この噴水の周りも春陽を浴びて心なしか暖かく感じられ、木々の芽も少しずつ緑が濃くなっています。このあたりはゴールデンウィークなどのイベント開催時はもちろん、暖かくなると家族づれや若者で大賑わいになります。
「春蘭」:(1999.3.27)

妻ガ友人からもらって庭ニ植えたものです。この植物は15cm程で、花は地面近くに咲いているのでしゃがんで眺める格好になりますが、可憐に開いたうす紫の花が長い葉で守られている感じで、見ていると心がなごみます。
「目黒寮10周年記念樹」:(1999.4.1)

私が東京滞在の定宿である中部電力の目黒寮が開設されて昨年10周年を迎え、それを記念して植えられた枝垂桜が花を付けています。この絵は4月1日に入寮者の花見が行われた際余興として描いて寮に寄贈したものです。木が若いため花もやや少ないですが、枝振りは大変見事で今後が楽しみです。