「春を待つ」 (1998.2.15掲載)

この冬は暖冬と言われていましたが、1月中旬頃以降日本海側から関東地方にかけて大雪に見舞われるなど、冷え込みもきつくなりました。しかし2月7日に開幕したオリンピックの開催地長野県にとっては恵みの大雪です。この間私は仕事で富山に出張し、引き続きその足で東京に行きました。名古屋〜富山はJRを利用、富山〜東京は航空機で計画したため大雪を気にしていましたが、幸いこの影響を受けることなく終りました。既に立春が過ぎて10日以上もたっているので春の訪れは間もなくだと思います。そこで今回の特集は「春を待つ」というタイトルにしました。それにしても景気の「春の訪れ」は何時になるでしょうか?。

 

「神田川・聖 橋(ひじりばし)」 :(1998.1.19)

朝日新聞社発刊の神田川の歴史等について記した古い文庫本を読んで、その中の挿し絵からヒントを得て描いたものです。神田川沿いには絵になる風景が沢山ありますが、実際に写生したのは初めてです。聖橋はJR中央線お茶の水駅の北側にかかっており、この絵は聖橋のすぐ上流のお茶の水橋から描きましたが、この時は風が強くて1枚をデッサンの状態で川に吹き飛ばされてしまい、描き直しました。周りには数日前に降った多くの雪がかき集めてありました。

「ニコライ堂」:(1998.1.19)

上の絵の後に描きました。ニコライ堂は明治24年に建てられた日本ハリストス正教会の東京復活大聖堂で、国内最大のビザンチン式建築物,、ドームの高さは35mとのことです。東京のど真ん中にこの様にエキゾチックな建築物が存在し、喧騒の中にも落ち着きを感じます。。この日は非常に寒かったのでつい手に力が入ってしまい、木々も葉を付けていないので殺風景な絵になりました。

「梅満開」:(1998.1.24)

自宅の玄関前に置いている鉢植えです。正月頃から開花しましたが、途中で冷え込んだりしたため満開になるまで相当時間がかかっています。この絵は家の中に持ち込んで描きましたので、部屋の中に良い香りが漂って、まさに春の到来を感じたひとときです。

「美濃焼・こま犬」:(1998.1.24)

岐阜県瑞浪市陶町大川地区に、ふるさと創生事業として平成2年11月に約半年をかけて完成した、世界一おおきなこま犬だそうです。偶然TVで放映したので出かけて行って写生しました。2匹のこま犬は必ず「阿吽(あうん)」の呼吸をしていますが、向かって右の犬が「あ」、左が「ん」です。大きさはいずれも高さ3.3m幅1.6m奥行き2.4mと巨大です。なお詳細はこのこま犬を制作した「世界一のこま犬を作る会」のホームページで紹介されていますのでご覧下さい。アドレスは次の通りですhttp://www.blk.mmtr.or.jp/~ryo520ys/

「富山市役所の冠雪」:(1998.1.26)

仕事で北陸電力を訪問することになり朝少し時間があったので、投宿した市内のホテルの15階にあるレストランから見た風景を描いたものです。この日の富山は前日からの雪が約30センチ積もり一面雪に覆われていましたが、さすがに高層の建物では雪の多さは感じられませんでした。それにしてもこの市役所はモダンというか芸術的というか、ユニークな建築物です。

「雪の富山駅前」:(1998.1.26)

上の絵の後に描いたものです。道路の雪は除雪用の放水や車の往来で殆ど解けていますが、車自体はかなりの雪を載せて走っていました。今年の富山の雪は例年に比べて多い方ではないとのことですが、数年前にここに出張した時も雪に見舞われ、偶然ながら雪との出会いが多すぎるように感じられます。

「馬飼大橋」:(1998.1.31)

この橋は木曽川の岐阜県羽島市と愛知県祖父江町を結んでいる橋で、木曽川大堰という愛知県西部の灌漑用ダムの上に併設されているものです。このあたりの川幅は約1000mあるので、ダムとしてもかなり長いものです。現在は水量が少なく、ダムは魚道だけで放水されていました。このダムとよく似たものが長良川下流にあり、長良川河口堰といって話題になりました。

「北の丸公園にて」:(1998.2.5)

立春の翌日で少し暖かさを感じました。ここは旧江戸城の北の丸で、緑樹が多く植栽されていますが今は大半の樹木が落葉して殺風景です。奥に日本武道館があります。ジョッギングをしている若い人達をかなり見かけました。

「神田周辺」:(1998.2.5)

神田川にかかっている総武線鉄橋と、聖橋、地下鉄丸の内線(赤い電車が走っている)を主題にしました。向かって左に中央線の黄色い電車も少し見えます。この鉄橋はお茶の水駅と秋葉原駅の中間のかなり高い所にあります。聖橋はこのページの最初に載せた絵の逆方向から描いてあります。

「春を待つ」:(1998.2.8)

立春が過ぎても厳しい寒さが続いています。しかし水仙はどこでも一足先に花を付け、北風を受けて左右にゆれています。この花は自宅近くの小学校の花壇で見つけたものです。たまたま輪郭だけ描いた時みぞれが降り出したので、一輪失敬して家に持ち帰って着色しました。水仙は種類が多く色も雑多であるように思います。

「新宿歌舞伎町にて」:(1998.2.9)

歌舞伎町の冬の風情を描こうと午後足を運びました。夕方迄には間があるためか、歌舞伎町の特徴である人込みは見られませんでした。それでも呼び込みやけばけばしいプラカード?を持った男達が手持ち無沙汰な表情で突っ立っていました。新宿には時々訪れますが、夜の歌舞伎町は退廃的というか色々な人間模様を目にする事が出来て面白い所です。

「NHK放送センター」:(1998.2.10)

この日は朝方に雪が舞い寒さがこたえましたが、午後の会議に向かう途中で描きました。この付近は時々通るのでこんな寒い日にどうかと思ったのですが、ここで描いたために珍しい体験が出来ました。この絵を描き終って次の場所に移った時若い青年が書籍を買ってくれと近寄ってきましたので、私の葉書絵制作歴・趣味・ホームページの話などをした処、彼はすっかり感激し自分の住所氏名まで私に教えて去って行きました。その後今度は二人連れの女子大生(と言っていた)がそばに来てメモ用紙を出し私の「夢」を書いてくれと言う、書きながら話しを聞いた処どうも新興宗教の宣伝らしく、数年前に話題になった人物が書いた本を私に呉れて去って行きました。お陰で絵どころではなくすっかり冷え込んでしまいました