「新緑に接する」 (1998.5.10掲載)

桜の季節が終ったと思ったらもう新緑の時期になりました。今年の4月は全国的に気温が高く、京都府舞鶴市や岐阜県高山市では中旬に30度を超える真夏のような暑さを観測したようです。そんなわけで今年は新緑も早くやって来た感じがします。このような時期私は4月上旬に福岡に出張したので、いち早く新緑を迎えた太宰府などに足を運び少し早い新緑に接することができました。これを皮切りにあちこちで目にした新緑を葉書絵にしましたので、そのなかの10数枚をご覧頂くこととしました。

「太宰府天満宮」:(1998.4.6)

4月6日に九州電力に出張したついでに、久しぶりに太宰府天満宮に参拝しました。このお宮は901年右大臣から、突然太宰府の役人に左遷させられ2年後にこの地で亡くなった学問の神、菅原道真をまつっています。現在の本殿(重要文化財)は天正19年(1591年)に建立されたものです。私が参拝したこの日は雨に降られましたが、参拝客もかなりあって広い境内は結構賑わっていました。

「太宰府天満宮・心字池」:(1998.4.6)

太宰府天満宮の境内には心字池が配置され、橋の傍らには室町時代の志賀社(重要文化財)などがあるほか、全国的にも有名な梅や、クス・花しょうぶなどの四季折々の美しい花々が植えられております。私が参拝した時はまだ早春でしたが、やはり九州は暖かく緑が木々を覆い始めていました。

「福岡タワーとこいのぼり」:(1998.4.7)

九州電力での仕事の翌日、博多港の一画にある「シーサイドももち」を訪ねました。ここは1989年にアジア太平洋博が開催された跡地で、それらの施設などを利用した人工海浜公園になっています。ここにはテレビ放送など情報通信産業を中心とした企業の高層ビルが立ち並び、新しい博多を象徴しているようです。「子供の日」までには1ヶ月ばかりありますが、高層ビルの間にはもう「こいのぼり」が立てられていました。

「博多ポートタワー」:(1998.4.7)

このポートタワーは「ベイサイドプレイス博多埠頭」の一部で、「シーサイドももち」の東側に位置しています。この方角で新緑に接することはできませんが、私が描いている後側は埠頭の諸施設の間に木々が植えられております。この埠頭の夜景は幻想的なレーザー光線のショーなどもあって楽しめるそうです。

「旧福岡県公会堂貴賓館」:(1998.4.7)

明治時代のフレンチルネッサンス様式の木造建築で、なかなか落ち着いた感じの建物です。この建物の場所がなかなか見つからず、探している間に空港への時間が少なくなってしまったので、現地では輪郭だけ描いて飛行機の中で着色しました。

「熱田神宮」:(1998.4.15)

この日は午前中と夕刻以降に用事があったので、その合間を利用して数枚描きました。このお宮さんは、熱田大神といって三種の神器の一つである「草薙神剣」のほか、天照大神(あまてらすおおみかみ)など五柱がまつってあります。地元では最も親しまれ、初詣客の多さでは全国的にも5〜6番目にはいっています。この時期は訪れる客もまばらで、砂利道を踏む足音も余り感じませんでした。

 

「鶴舞公園・噴水塔」:(1998.4.15)

鶴舞公園は名古屋市の中心に位置し、市民の憩いの場として親しまれております。この噴水は、明治43年(1910年)第10回関西府県連合共進会会場の正面に設置され、地下鉄工事に伴って昭和48年に撤去されましたが52年に復元されております。構造は大理石の円柱を使った和洋折衷の明治調で、全体としてはローマ様式です。

「名古屋市公会堂」:(1998.4.15)

鶴舞公園の西側入口に面して建てられております。この建物の歴史などについては情報不足なので、説明を省略します。正面のつつじなどの植え込みは今を真っ盛りに花を付け、春を謳歌してるようでした。

「鶴舞公園・竜ヶ池」:(1998.4.15)

この池も鶴舞公園の一画にあり、新緑を映していました。この建物の名前については知りませんが、池を展望するには適した場所にあり、憩いの場所として多くの人達が利用しているようです。ここでは桜の花がが少し咲き残り、池に映って景色の美しさを引き立てていました。

「松花満開」:(1998.4.19)

自宅の松の木が花をつけましたので、日曜日午前のひとときを利用して写生してみました。昨年秋庭師が丁寧に剪定してくれたせいか、今年はこの花が目立って見えます。しかし散ったあとは樹下のコケの上にちらばるので掃除が大変です。今年もゴールデンウィーク過ぎには腰の痛くなるのを我慢して拾うことになりそうです。

「携帯電話の男」:(1998.4.20)

最近の携帯電話の普及は目覚しいものがあります。今や携帯電話は眼鏡と同様の生活必需品のように感じられ、歩きながらは勿論このようにいたる所で使われています。この絵は東横線都立大学駅近くのガード下で描いたものです。

「ラフォーレ原宿」:(1998.4.20)

夕方の原宿の光景を描いてみました。丁度ラッシュアワーでしたので多くの人や車が、表参道と明治通りの交差点を行き交っています。原宿ラフォーレはファッションや若者グッズの中心で、この付近は竹下通りとともに夜遅くまで若い人達で賑わうことと思います。原宿を描いたのはこれで3点目です。