「五月雨・五月晴万歳」(1998.6.1掲載)

今年は4月下旬から5月全般にわたって雨の日が多く、特にゴールデンウイークは半ばに相当な雨に見舞われました。しかし樹木にとってこの時期の雨は緑化の原動力であり、我々の目にも雨後の緑は一段と美しく映えます。また5月の晴天は気分を爽快にしてくれます。そのような中で私も緑に引き付けられてあちこちを葉書絵行脚しました。特に5月初めの連休は妻とのドライブをかねて愛知・静岡・奈良の各県にある名所などを絵にする事が出来ました。また今年も「母の日」に長男の嫁さんと二男が妻に花をプレゼントしてくれましたので早速絵にしました。

「旧古河庭園・心字池」:(1998.4.21)

東京での会議の合間を利用して山手線駒込駅から1キロばかりの所にある「旧古河庭園」を久しぶりに訪ねました。この庭園は大正初期の庭園の原型で、国が終戦後古河財閥から譲り受け、東京都が管理公開しているものです。また鹿鳴館などの設計を手がけた英国人ジョサイア・コンドル博士の設計になる洋風庭園と、京都の著名な庭師・小川治兵衛による和風庭園からなっており、余り広くはないのですがその美しさを十分満喫できます。

「旧古河庭園・洋館」:(1998.4.21)

この洋館は「旧古河庭園」の中心的存在です。この建物も上に記した英国人の設計によるものです。外壁に真鶴産の赤味を帯びた安山岩で覆われております。建物に入るためには予約が必要とのことで、まだ中を見ていませんが一見の余地はあるようです。

「関市内・庄中橋」:(1998.4.26)

岐阜県関市の南部を流れている津保川に掛かっている橋です。鉛筆を使いましたので、橋脚の間から見える近くのスーパーと鉄塔の一部との対比で、橋の頑丈さをを強調」した面白い構図になりました

「龍潭寺庭園」:(1998.5.1)

このお寺は浜名湖の北部にあり、天平7年(733年)に行基菩薩によって開創された古刹です。庭園は小堀遠州の設計により江戸時代初期に本堂北庭として築かれたもので、国の指定文化財です。この絵は本堂から左手方向を眺めて描いたもので、庭園はごく一部しか出ていませんが、全体は数多くの石組みによる滝・渓谷と、さつきやどうだんつつじが調和した明るい感じの庭です。

「岩屋堂(瀬戸市」)(1998.5.2)

愛知県瀬戸市の北東部に大岩が重なって出来たお堂があり、仏像がまつってあります。このお堂の由緒等については、そばに建てられている説明板の文字が薄れて判読出来ず、ご紹介は出来ませんが、高さが10m以上もある古墳を彷彿させる立派な岩屋です。この日は雨が降っていたためペンが使えず、鉛筆にしました。

「暁明ヶ滝(瀬戸市)」:(1998.5.2)

上のお堂のそばにある滝です。これについてもいわれはあるのでしょうが情報不如意です。高さは50m近くあると思います。連日の雨によるものか水も豊富できれいな滝です。加えてこのあたりは楓が多いので秋の紅葉はさぞかし美しい事でしょう。その頃にもう一度訪れて描く積もりです。

「石舞台古墳」:(1998.5.3)

奈良・飛鳥にある、7世紀半ばに造られた日本最大級の横穴式古墳です。この古墳は一説によれば当時の豪族で権力を欲しいままにした蘇我馬子(?〜626年)の墓とのことです。大きさは1辺約50mですが、盛り土は剥ぎ取られムキ出しになった石室の中には石棺がありません。その理由は?単なる盗掘ではなく、蘇我氏滅亡の後蘇我氏に反感を持っていた人々がこの巨大な墓を徹底的に暴いたものではないかとの憶測もあるようです。この絵は夕方描いたので、西側(舞台の後ろ側)から見たものです。

「二上山・大津皇子墓」:(1998.5.4)

二上山は奈良間と大阪府の県境に位置し、雄岳(519m)・雌岳(474m)があって、大津皇子(663〜689)の墓は雄岳にあります。大津皇子は天武天皇の第三皇子で詩歌に優れた才能を持っていましたが、そのために継母持統天皇に警戒されて悲劇の死を遂げた人です。妻と登山して描きましたが、帰路を間違えたりして大変苦労しました。

「當麻寺」:(1998.5.4)

このお寺は上の二上山のふもと奈良県當麻町にある真言・浄土両宗兼帯の寺です。もともと大阪府河内に建立されていたものを、天武10年(681年)にここに移転したものだそうです。本堂・三重塔など国宝や重文に指定された多くの建物・仏像があります。本堂に當麻曼荼羅がまつられているほか、中将姫が織ったと伝えられている根本曼荼羅が宝庫に秘蔵されているとのことです。当日は天候が良く多くの参拝客で賑わっていました。

「當麻寺・三重塔」:(1998.5.4)

この當麻寺には東塔と西塔の2つの三重塔があり、天平時代の優雅な建物です。この絵は東塔だと思います。背景の木々の緑とも良く調和しています。

「母の日プレゼント(奈美子さんより)」:(1998.5.10)

東京・葛飾区柴又に住んでいる長男の嫁さんから今年も「母の日」のプレゼントが届きました。名前はわかりませんが紫の可愛い花で、嫁さんのアイデアですべて紫に統一したとのことです。早速描きましたので近日中に彼女に贈る予定です。花は妻が鉢植えにして玄関脇に置きました。

母の日プレゼント(良治より)」:(1998.5.10)

同じく二男からのプレゼントです。上のものとは全く趣が違っています。このままでは日持ちがしないので、妻がバラなど一部の花をドライフラワーにして飾っています。